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TPP参加という決断
渡邊頼純 著

目次 立ち読み

書評続々!! 大反響 たちまち5刷。                       丸善丸の内本店 週間ランキング(11/10~11/16)で6位!

産経新聞の書評に紹介されました

アジア太平洋における新しい秩序の構築が、日本経済再生への道をつくる。
震災復興計画が遅々とする中で国内は混乱しているが、11月に開かれるAPECが近づき、再びその賛否が議論されているTPP。依然として反対の声が多いTPPだが、TPP参加は本当にデメリットばかりなのか?
TPP参加は日本経済に何をもたらすのか。そもそもTPPとは何か――。日本・メキシコEPA(経済連携協定)で首席交渉官を務めた著者が、TPPを明快に解説し、日本経済の活路を提示する。

<書籍データ>
◇新書判並製、276頁 
◇定価:1000円(本体952円+税)
◇2011年10月31日発売

<著者プロフィール>

渡邊頼純(わたなべ・よりずみ)
慶應義塾大学総合政策学部教授。上智大学大学院国際関係論専攻博士課程単位取得満期退学。南山大学助教授、大妻女子大学教授、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部、GATT事務局、欧州連合日本政府代表部、外務省経済局参事官、外務省参与などを経て現職。主な著書に『GATT・WTO体制と日本』(北樹出版、2007)、『解説FTA・EPA交渉』(監修・編著、日本経済評論社、2007)、『WTOハンドブック』(編著、JETRO、2003)『国際関係論を超えて』(共著、山川出版社、2003)『ケースブック ガット・WTO法』(共著、有斐閣、2000)『WTOで何が変わったか』(共著、日本評論社、1997)『ガットとウルグアイ・ラウンド―WTOの発足―』(共著、1995)などがある。

■■■ 出版記念特別インタビュー ■■■
渡邊頼純氏が語る「今なぜTPPなのか」 ⇒ 記事はこちら

 

 

 

<立ち読み>

はじめに──なぜ今TPPなのか?
アジア・太平洋の新秩序構築へ
2010年11月14日、横浜で開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議はその主な成果として、「ASEANプラス3(日中韓)」、「ASEANプラス6(前述の3カ国にオーストラリア、ニュージーランド、インドを加えた6カ国)」、そして「TPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)」などの経済連携の枠組みを中心にアジア太平洋地域の更なる貿易自由化と投資の促進を進め、この地域に「アジア太平洋自由貿易地域」(FTAAP=Free Trade Area of Asia-Pacific)を創設することで合意した。その具体的な目標年は示されていないが、1994年のAPECボゴール宣言で「先進国・地域は2010年までに、途上国・地域は2020年までに貿易と投資の自由化を行う」と謳っていることから、2020年がFTAAP創設のターゲット年になっていると考えられる。
他方、「ASEANプラス3」、ないしは「プラス6」の枠組みについてはその中核に位置する日本・中国・韓国の3カ国の間にはまだFTA(自由貿易協定)が存在せず、この日中韓FTAもFTAAPを構成する重要な要素として現在進行中の産官学共同研究の段階から政府間交渉へ歩みを進めることが期待されている。しかし、その歩みはややスピード感を欠いており、韓国は中国との二国間FTAを優先する兆しを見せるなど、3カ国の足並みが揃っているとは言い難い状況だ。なかなか交渉段階に入れないASEANプラス3ないしはプラス6を尻目にTPPは実体の伴う交渉をすでに開始している。TPP交渉の当面の目標点は2011年秋のAPEC首脳会議である。それまでにTPPについてその骨格と交渉の方式(モダリティ)を決定する交渉が続いていく。
2011年のAPECを主催するのはアメリカである。自らの再選に向けて重要な年となる2011年のAPECはオバマ大統領にとっては失敗の許されない大きな政治的チャンスである。5年間で輸出の倍増という今まで歴代のアメリカ大統領が達成できなかった「偉業」を大々的に打ち上げたオバマ大統領にとって、その可能性があるのはアジア太平洋地域の市場をおいて他にはない。オバマ大統領は、いみじくも2009年11月に、東京でTPPにアメリカが積極的に関与することを明らかにしたが、ハワイでのAPECまでにTPPをある程度形あるものにするためにイニシアチブを発揮することが予想される。今、TPPを軸にアジア太平洋地域に新たな貿易と投資の秩序が築かれようとしている。そしてそのことは日本にとってこの上なく重要なことであり、傍観することは許されない。
さて、TPPに関する本を世に問いたいと思ったのは、TPPについてあまりにも誤解や間違った情報が多いと思ったからである。TPPがデフレを加速するとか、低賃金の労働者が押し寄せてくるとか、果てはTPPがアメリカの謀略であるといった類の根も葉もない言説が飛び交っている。その傾向は3月11日の大震災の後、いっそうひどくなった。大震災で打撃を受けた東北地方の惨状を口実に、一気に国際競争から日本を隔離しようとする「内向き志向」がそこから読み取れた。
筆者もTPPがベストであるとか、TPPが全ての解決策を提供するとは毛頭考えていない。貿易交渉の舞台としては本来WTOがベストであるが、残念ながらその多国間交渉である「ドーハ・ラウンド」は凍結された状態にある。TPP以外にも経済連携の枠組みとしては「ASEANプラス3」や「ASEANプラス6」、「日中韓FTA」などがある。しかし、これらの構想はまだ交渉モードに入っていない。TPPがアジア太平洋の9カ国を巻き込んで交渉に入っている以上、日本が「情報収集のために協議する」というスタンスで当事者になっていないことは由々しき問題と考えたわけである。
したがって、本書では第一にTPPについて可能な限り正確な情報を読者に提供することをまず念頭に置いた。TPPは極めて広範なカバレッジをもつ政策課題を含んでいる。農業から製造業、さらにはサービス産業まで日本経済全般に影響を与える重要課題である。このため農業団体、日本経団連をはじめとする経済団体や個別企業、外務省や経済産業省などの政府関係者などから広く意見を聴取した。
――本文より

 

(続きは本書でお読み下さい)

 

 


<目次>

 

はじめに――なぜ今TPPなのか? 
序 章 TPPについてよく尋ねられる22の質問 
第1章 そもそもTPPとは何か? 
第2章 TPPは日本にとってどのような経済的メリットがあるのか? 
第3章 TPPは日米関係を強固にするツールである 
第4章 TPPと日本の農業 
第5章 TPP交渉の経緯と展望 
第6章 日本の産業界とTPP――経団連の提言を考える
第7章 東日本大震災とTPP
第8章 TPPと政府調達
第9章 TPPを活用した外国人看護師・介護福祉士受け入れと送り出し
おわりに

 

 

 

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