古代より人間は「塔」に魅せられてきた。
しかし、現代においていったい「塔」とは何か、と聞かれて充分に答えるのは容易ではない。
辞書をひけば「五重塔」など古い塔については詳しくても、「塔」については「高くそびえたつ建築物」といった簡単な解説に留まっているのがほとんどだ。
例えば「東京タワー」は、建築法規上「建築物」ではなく、「工作物」と呼ばれるべき「鉄塔」である。
実は「塔」は、その歴史的、文化史的な視点、意味や定義もあいまいなまま建てられ続けてきたのではなかったか。
本書では、「バベルの塔」にはじまり、「エッフェル塔」や「五重塔」、「東京タワー」など数々の「塔」について考察し、また「東京スカイツリー®」についても資料図版とともにその建設概要を紹介する。
「塔」についての再認識・再評価を促し、その素晴らしさを伝える一冊。