書籍詳細

万葉を旅する
中西進 著

目次
立ち読み


自然への尊崇、美への感動、それを高らかに歌ったのが万葉集の歌だった。それらは、大地、自然と対面し、その豊かさや神々しさを十分に汲みとった歌々である。そこからは、大地の豊かなにおいにつつまれた人間の息づかいが聞こえてくる。万葉の歌を求める旅は、心の糧を求める旅でもある――。

「田児の浦ゆうち出でて見れば真白にそ不尽の高嶺に雪は降りける」  山部赤人

赤人が強調するのは純白の雪だ。その白さは、神々しさを感じる気持が、残すところなく表現されている。神々しさにひれ伏す心は古代の歌人としての、自然への尊敬を示しているが、同時にそれは美しさへの感動でもあった。尊いものの美しさ、恐ろしいほどの美しさ、そうした自然の正体の発見者が赤人だった。これも現代人が忘れたものではないか。自然を破壊し、自然を軽んじる現代文明に、十分な反省をもたらすものが万葉の歌だといってもよい。

<書籍データ>
◇B6判並製・232頁(ウェッジ選書17)
◇定価:本体1,400円+税
◇2005年2月20日発売

<著者プロフィール>
中西進
(なかにし・すすむ)
一般社団法人日本学基金理事長。文学博士、文化功労者。平成25年度文化勲章受賞。日本文化、精神史の研究・評論活動で知られる。読売文学賞、日本学士院賞、菊池寛賞、和辻哲郎文化賞、大佛次郎賞、奈良テレビ放送文化賞ほか受賞多数。著書に『日本人の忘れもの』全3巻『中西進と歩く万葉の大和路』『国家を築いたしなやかな日本知』『日本人意志の力 改訂版』『情に生きる日本人 Tender Japan』(以上ウェッジ)、『うたう天皇』、『楕円の江戸文化』(ともに白水社)、『日本人の祈り こころの風景』(冨山房インターナショナル)、『こころの日本文化史』(岩波書店)、『日本人の愛したことば』(東京書籍)、『中西進著作集』(全36巻/四季社)他多数。

 

 

 

 

 

万葉を旅する

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