2024年4月25日(木)

70点の育児入門

2017年8月17日

質問:子どもの予防接種が遅れ気味です。異なるワクチンを同時に接種しても大丈夫なのでしょうか? ワクチンどうしの「食い合わせ」も気になります。

答え:医学的には、同時に接種できないワクチンはありません。同時接種が身体への負担になるというデータもありません。

石橋涼子(いしばし・りょうこ)
東京大学医学部卒業。大学での研修の後、NICU、総合病院、障害児施設などに勤務。1996年からまつしま産婦人科小児科病院(現・まつしま病院)小児科部長、2005年1月に東京・江戸川区小岩に石橋こどもクリニックを開院。

答える人 石橋涼子先生(石橋こどもクリニック院長)

 同時接種は世界中で行われてきましたが、それによる副作用の増加などは報告されていません。我が子がいっぺんに2本、3本と注射されるのは親としても辛いところですが、お子さんが耐えられるのであればとくに問題ありません。別の日に打っても結局合計の回数は同じですしね。

 もっとも、技術的な理由で同時接種が難しいワクチンもあります。たとえばスタンプ式のBCGワクチンは腕が乾くまで待たねばならないので、ほかのワクチンと同時に接種するのが難しく、別に行なっている医療機関も多いと思います。もちろん、BCGでも医師によってはほかのワクチンと同時接種を行っていることもあります。身体への悪影響があるわけではありません。

 どのワクチンの組み合わせでも、それで思わぬ副作用が生まれるということはありません。逆に、同時接種によりワクチンの効果が減じることもありません。お子さんさえ大丈夫なら、同時接種は有効な方法だといえます。


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