WEDGE REPORT

2017年9月22日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。1972年共同通信社に入社、経済分野を取材し編集委員などを経て2010年に退職し、現在は経済ジャーナリスト。

 定年退職したシニア(新現役)が自分の経験と知識、アイデアを活かし中小企業支援をおこなう企業を見つけようと、東京都内の6つの信用組合と取引のある中小企業約50社と面談する交流会が21日、東京・京橋の全国信用組合会館で開催された。求職希望のリタイヤした中高年と、求人側の中小企業が同じテーブルについて話し合う、いわば相互の希望を引き合わせる仕事探しの「お見合い」で、この日は退職後も経験を生かして働きたい気持ちが強いシニア世代約140人が新たな支援企業を求めて出席した。

多くの参加者が集まった交流会

初めての合同交流会

 こうした交流会はこれまで何回か開かれているが、6つの信用組合が同時に行う合同交流会は初めての試みだ。参加した信用組合は第一勧業信用組合、全東栄信用組合、共立信用組合など6つの信用組合。

 会館内の講堂に約50カ所設けられたブースには、信用組合の支店長、あらかじめ求職を希望した新現役と企業のトップが向かい合い、約20分間の面談を行った。事前に企業課題が配信されて新現役が「相手企業、課題を選べる」のが特徴だが、中小企業から「どのような、解決策やアイデアをおもちですか」と質問があり、相互で意中の人が見つかれば、後日、二次面談を行い最終的に支援してもらう人材が決まる。大半が60歳から70歳代で「健康なうちはまだまだ働きたい」と意欲的な人ばかり。新現役が実際に中小企業を支援すれば、1日当たり3万円程度(3回までが限度)の報酬がもらえる。さらに、支援した企業に気に入られれば雇用契約を結んで顧問や正社員として、新たな職場が見つかるケースもある。

「中小企業の『応援団長』」

 ホンダを1993年に退職したエンジニアの魚森康治さん(67)は、いまも6つの会社の技術コンサルタントをしている。退職後は自動車部品、電機会社のサポートをするなど、世界中を回ってきた経験豊富な新現役で、「中小企業は人材が不足しているので、われわれのような退職したエンジニアがサポートしてやるべきで、『応援団長』として頑張りたい」と張り切って面接に臨んでいた。

 また住友金属工業(現在の新日鉄住金)で長年、経理をみてきた星野正幸さん(73)は、60歳で定年退職してから、いくつもの会社を経理面から支援して多くの会社を立て直してきた実績があるという。「単に経理の数字だけでなく、経理の数字を通してマネジメントも含めて会社の経営全体をみることができる」と面談した企業に自己PRをした。

 ネッスル、ユニリーバなど外資系食品関連の企業をいくつも渡り歩いて企業を立て直してきた大津永悠さん(61)は、神奈川県藤沢市から参加した。フードビジネスについて経験が豊富で、5年前から独立して食品関連の経営コンサルタントをしている。「50歳くらいまでは、がむしゃらに働いて高い収入を得てきたが、60歳を過ぎてから生き方を変えようと思って、今回の交流会に参加してみた。営業とマーケティングは実績があるので、私の力を生かせるような会社の支援をしたい」と新天地での活躍を期待していた。

 今回の交流会では、退職後に既にコンサルなどとして働いているシニアが多かった。交流会に来た目的を聞いてみると「今みている会社も残り半年くらいで支援は終わるので、新たにサポートできる会社を探したい」という次のステップをにらんで意欲的に仕事探しをしているようだった。

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