前向きに読み解く経済の裏側

2017年11月4日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

生活を見直そう

 倹約を考える前に、生活を見直してみましょう。その際に気をつけるべきことは、夫婦円満を壊すような本末転倒は避けよう、ということです。お互いが相手の支出を「無駄だ」と罵り合ったりするのは言語道断ですし、妻が「夫が自分の家計のやりくりに口を出そうとしている」と捉えるようでは逆効果です。幸せな老後を送るために生活を見直すのであって、生活の見直しが目的ではありません。くれぐれも気をつけて下さい。

 まずは、保険を見直しましょう。保険は金額が大きい割に、「何となく安心だから」と加入している人が多いと言われています。たとえば生命保険は何のために加入するのでしょう? 「自分に万が一の事があっても残された人が路頭に迷うことがないように」ですね。それなら、独身者や共働きの夫婦や退職金受領後の高齢者は、生命保険は必要ないですね。自分に万が一のことがあっても、悲しむ人はいるでしょうが、経済的に困窮する人はいないでしょうから。

 自動車を運転するなら保険は絶対必要でしょうが、そもそも自家用車は必要ですか? 地方では公共交通機関に頼れないので自家用車が必要かも知れませんが、都会では公共交通機関が発達しているので、自家用車が不要な場合も多いでしょう。

 ちなみに筆者は、子育てが一段落した段階で自家用車を手放しました。かなり贅沢にタクシー代を使っていますが、それでも自家用車の維持費に比べれば安上がりです。それ以上に素晴らしいことは、歩くようになったことです。「運動不足解消のためにスポーツジムに通う一方で、自家用車で通勤する」といった生活をしている都会人は、筆者を見習ってはいかがでしょうか(笑)。

 郊外の一軒家に住んでいる人は、子供が独立したら都心の小さなマンションに引っ越しませんか? そうすれば、生活は便利ですし、自家用車も不要です。そうと決めれば、火災保険も不要ですね。自宅が万が一火災になっても、更地にして売却すれば良いだけですから。

 子供の習い事は必要でしょうか?ピアノもバレーも習字も絵画も習わせるくらいなら、友達と遊ばせた方が情操教育に良いかも知れませんよ(笑)。

 こうして生活を見直した上で、なお老後資金が不足しそうであれば、始めてビールを発泡酒に変えましょう。

  
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