WEDGE REPORT

2011年7月29日

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 「とにかく電波つなげとtwitterではいつも言われている」

 7月28日に開かれた、ソフトバンクの2012年3月期第1四半期決算説明会。「営業利益6期連続最高益」「純利益過去最高・前期比5倍」「リファイナンスで財務体質大幅改善」――3つのハイライトを大きく掲げ、絶好調ぶりを示した孫正義社長は、プレゼン中盤、利用者からの非難の声を自嘲的に紹介した。

ビジネススクール的に言えば失格

 「2010年度は予定2000億円に対し、倍の規模、4205億円の設備投資を実行した。11、12年度は5000億円ずつ、2年で1兆円の投資を実行する」

 「自宅における圏外率でみると、ソフトバンクは2%。NTTドコモやKDDIは1%。こういえば2倍に見えるが、裏返せば他社は99%つながるのに対し、ソフトバンクは98%つながるということ。あと1%のために、3年で約1.5兆円の設備投資を行う」

 「これはビジネススクール的に言えば、投資リターンが悪い。それでも時にはやらねばならない。ユーザーに不便をかけないために」

 ソフトバンクモバイルは2010年3月、「電波改善宣言」を発表。基地局を倍増するなどして、他社と比べて貧弱とされる電波環境を改善すると宣言した。孫社長は「電波改善の件、必ずドコモを抜きます。少し時間は、かかりますが男のプライドにかけて必ず成します」とtwitterに書いた。

ソフトバンクのジレンマ

 実際ソフトバンクは、2010年3月に6万局だった基地局数(中継局含む)が、1年後の今年3月末に12万局となったと発表した。さらに9月末に14万局にするという目標を掲げたが、「7月末ですでに達成した」(孫社長)。それでもさらに1兆円もの投資を行うのは、いまだ他社に比べ電波環境が悪いことを認めているからに他ならない。

 それでもソフトバンクの電波には不安がつきまとう。

 ソフトバンクの高利潤の源泉は、iPhoneとiPadにある。アップル社のこの大人気商品を独占的に販売することで、ARPU(加入者一人あたりの売上高)を引き上げている。IPhoneなどのスマートフォンの興隆で、世界的に音声通信からデータ通信への移行が起きているが、ソフトバンクのデータARPU比率(ARPUに占めるデータ通信の割合)は58%(11年度第1四半期)と世界No.1という。

アップル依存で逼迫する回線

 「私も両方使っているが、iPhoneとiPadは両方持ってはじめてその良さがわかる」

 「秋にはiCloudとiOS 5が登場する。iPhoneで写真を撮ると、自動的に同期され、iPadの大きな画面でその写真を見られる、そんなことができるようになる。iPhoneとiPadの両刀使いじゃないと戦にいけない時代になる」

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