【韓国追放の記】
竹島問題のカギ握る 欝陵島の真実


下條正男 (しもじょう・まさお)  拓殖大学教授

國學院大學大学院文学研究科博士後期課程修了。1983年、韓国の三星グループ会長秘書室勤務。1994年、市立仁川大学客員教授。1999年から拓殖大学国際開発研究所教授。著書に『日韓歴史克服への道』(展転社)や『竹島は日韓どちらのものか』(文藝春秋)などがある。

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ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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2011年8月2日から3日にかけ、自民党の領土に関する特命委員会所属の新藤義孝、稲田朋美両衆議院議員と佐藤正久参議院議員とともに、欝陵島に渡る予定でいた。欝陵島は、現在、韓国が不法占拠する竹島と密接な関係にあり、竹島問題の発端もこの島にあったからである。だが私は8月1日未明、韓国から追放されてしまった。

「日本の右翼教授 こっそり入国、摘発。追放」

 今回、私が渡韓したのは、議員等との欝陵島訪問だけが目的ではなかった。1907年に、現在の国立ソウル大学経済学部のルーツとなる拓殖大学の京城分校がソウルに開設されており、その関連資料を図書館等で閲覧することであった。それを8月1日付の朝鮮日報は、「欝陵島訪問が明らかな日本の右翼教授。こっそり入国、摘発。本日明け方、追放」との見出しで、その顛末を伝えた。記事によると、韓国政府の関係者は、「下條教授は元来日本の議員とともに1日、金浦空港を通じて訪韓する予定であったが、韓国政府の入国禁止措置を避けるため、急に日程を変え、入国しようとしたが摘発されたとみられる」と語っている。私はそのような発言もしておらず、その事実もない。

 私自身、7月31日の成田発最終便のOZ105便に搭乗したのは、今回の韓国行きの経費が個人負担のため、割安の航空券を購入したまでのことである。それに30日と31日は、本学のオープンキャンパスが開催され、入試相談担当の私としては、最終便以外は利用ができなかったからである。航空券の予約も、新藤義孝議員等が欝陵島訪問を発表する7月15日以前には済ませていた。ただ31日のオープンキャンパスの校務を終え、大学のある八王子から成田空港に駆けつけるには、時間的に不安があった。そこで31日の入試相談は同僚にお願いすることにした。私が「急に日程を変え」たとすれば、入試相談の業務日程である。

震災で忘れ去られた
民主党議員の「竹島は韓国領」宣言

 では近くて遠くなってしまった欝陵島には、何があり、今この時期に、欝陵島訪問を実施した理由はどこにあるのか。それは危機感からである。東日本大震災の直前、民主党の土肥隆一議員が韓国の国会で竹島は韓国領と宣言したとして問題になった。土肥議員は、内容を知らずに宣言したと弁明しているが、ソウル市内の新エデン教会では、土肥議員自ら宣言文を朗読している。彼は確信犯である。2006年5月、当時、民主党の幹事長であった鳩山由紀夫氏も、韓国の韓明淑総理に対し「竹島問題は日本の外交的失敗」と発言し、竹島は韓国領との認識を示していた。

 さらに2010年8月、韓国併合100周年の「菅談話」は、韓国の東北アジア歴史財団の鄭在貞理事長によると、韓国側が松下政経塾出身の国会議員等に提案し、作成されたものという。最近、世間を騒がせた「朝鮮王室儀軌」の韓国引渡し問題はその菅談話に由来し、本来なら朝鮮王室儀軌87部167冊だけのはずが、宮内庁書陵部所蔵の朝鮮本69部1038冊までもが根拠もないまま引き渡されることになった。

 このように民主党政権の対韓国政策は、日本の国家主権を根底から脅かし続けており、これ以上看過することはできない。事実、民主党政権を「組み易し」と見た韓国側は、竹島問題でも攻勢を強め、竹島に海洋科学基地の建設計画を推進し、漁民宿舎の増築とヘリポートの改修工事を進めるなど、不法占拠の既成事実化を急いでいる。

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著者

下條正男(しもじょう・まさお)

拓殖大学教授

國學院大學大学院文学研究科博士後期課程修了。1983年、韓国の三星グループ会長秘書室勤務。1994年、市立仁川大学客員教授。1999年から拓殖大学国際開発研究所教授。著書に『日韓歴史克服への道』(展転社)や『竹島は日韓どちらのものか』(文藝春秋)などがある。

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