ペット後進国・日本
動物愛護法改正の争点とは


WEDGE Infinity編集部

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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@itoi_shigesato:「環境省が国民の意見を求めてます。ほんとはもっとゆるやかに伝えたいのですが、5年に1度の法改正のチャンスを逃すと、また5年ひどい状態のままになりそうです。ペット飼っている方、手伝い合いましょう」。

 今年の8月17日、コピーライター・エッセイストの糸井重里氏がツイッター上でこうつぶやいた。環境省が7月24日から8月27日まで募集していた、動物愛護管理法改正に関するパブリックコメントの存在を広めるためだ。

深夜の生体展示、移動販売・・・
パブコメから見える問題点

 9月20日~26日は動物愛護週間。行政や愛護団体などが各地でイベントを行う。ペットフード協会が毎年実施する「全国犬猫飼育実態調査」によると、2010年時点で飼育されている犬猫の頭数推計は、犬が約1190万頭、猫が960万頭。今やペットブームを越えて、すっかり人間の生活の中に定着している。

見るからに不衛生なある繁殖業者の施設。飼養施設の適正化も、8月まで募集していたパブコメの項目に入っていた (写真提供:特定非営利活動法人 地球生物会議 ALIVE)

 現在、2013年の通常国会に向けて動物愛護管理法の改正が検討されているのをご存知だろうか。ペットブームの影で殺処分される犬猫、悪質な業者が後を絶たないことは、これまでも度々メディアで取り上げられてきたので、一般の人の知るところとなっているだろう。今回の法改正では、捨てられて殺処分となるペットを生み出しているこれらの「蛇口」の栓を、しっかりと閉めることが目的と言える。

 この法律は、1973年に制定され、1999年と2005年の2度改正された。2度目の改正時に、「法律施行後5年を目処として、新法の施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所定の措置を講ずるものとする」という規定が盛り込まれたため、5年後の2010年6月から、見直しの議論が開始された。中央環境審議会動物愛護部会の下に動物愛護管理のあり方検討小委員会が設置され、2010年8月10日の第1回の開催から会合を重ねている。

 東日本大震災の影響により会議のスケジュールが変更になったこともあり、今年の8月27日までのパブコメでは、優先度の高い「動物取扱業の適正化」に特化して意見を募集していた。他にも虐待や多頭飼育など、法改正には多くの項目が関わってくるため、環境省は年末頃を目処に再びパブコメを募集する予定だ。

 まず、動物取扱業者がなぜこれほど問題視されているのか、8月までのパブコメの内容から見ていきたい。以下意見を求められていた項目となる。

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