スウェーデンで生きる 海外移住だより

2012年1月16日

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伊藤清香 (いとう・さやか)

2年半の遠距離恋愛を経て、2008年冬にスウェーデンに移住した。「移民」としての生活に悪戦苦闘しながらも、新しい土地での一からの可能性に、人生を模索中。

 明けましておめでとうございます。皆さま、今年も素敵なお正月をお過ごしになられましたでしょうか。お節料理にお雑煮、お汁粉。お餅に甘酒。正月太りを気になされている方もいらっしゃることかと思います。

 スウェーデンでの生活が長くなると、こちらで年を越すことに胸も躍らなくなってしまい、毎年年末年始は日本がとても恋しくなります。新年特有の清々しさだけでなく、年越し蕎麦から初詣の出店、そしてこの時期にしか食べない伝統料理など、正月は日本で過ごすのが一番楽しいからです。

バイキング発祥の地のクリスマス

 キリスト教国であるスウェーデンでは1月13日までクリスマス期間が続くため、正月はさほど重要に捉えられていません。大晦日の晩に友達と集まり、元旦は二日酔いで一日が終了、2日からはもう仕事が始まります。

 その代わり、日本の正月に位置づけられるのが、やはりクリスマス。特にイブには家族・親族が揃い、子供達は、お年玉をもらうかのように、たくさんのプレゼントもらいます。そして、食卓に並んだJulbord(ユールボード)というクリスマスビュッフェを皆で楽しむのです。

レストランで出されるJulbordは、魚料理に肉料理、そしてデザートと種類が豊富。冷たい料理から先に取り、そのあとに温かい料理を取るのが一応の決まり。

 日本ではバイキングとも呼ばれるこのビュッフェ形式、ご存知の方も多いかと思いますが北欧発祥のもので、スウェーデンには1700年代から既に存在していました。Julbordの概念は1900年始めにスウェーデン一般家庭に広まり、発展。現在はクリスマスハム、ミートボール、ソーセージ、ニシンの酢漬け、スモークサーモン、種々のチーズにハードブレッドなどが主な料理となっています。12月に入ると多くのレストランでは豪華なJulbordがメニューに出され、忘年会の主役として人々の心を盛り上げます。

 しかしこのJulbord、クリスマスの特別料理なのかと思えば、そうではありません。スウェーデンでは一年の大祝祭として他にイースターや夏至祭がありますが、このときに食べるのもJulbordとほぼ同内容のビュッフェ料理。たとえ美味しくても、少々素っ気無いと思ってしまうのが正直な気持ちです。              

穀物、乳製品と比較して
自給率の低い野菜・果物類

 概してスウェーデンの文化には溶け込んでいる私ですが、食事情に対しては別で、これには移住当初ショックを受けました。

魚も解凍してから調理をするのが当たり前。スウェーデンのスーパーは冷凍品コーナーが賑やか。

 まず、スーパーに陳列された生鮮食品の乏しさ。例えば生のホウレンソウやブロッコリーは珍しく、冷凍が一般。売られている葉菜・花菜類の種類も少なく、存在自体が知られていないものもたくさんあります。買い物に行ったら目当ての野菜がなかったというのはしょっちゅう。

 スウェーデンの食糧自給率は穀物類が120%、肉・乳製品が80%と高いのに比べ、厳しい気候に耐えられない野菜・果物類は30%ほどと多くを輸入に頼っているので、仕方がないのかもしれません。また、魚も同様に輸入物が多いため、冷凍品や缶詰が中心です。種類もサーモンやタラまたはニシン程度で、日本のようにいかないのが悲しいところ。

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