Wedge REPORT

2019年7月22日

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 Gの独走に急ブレーキがかかった。巨人が21日、マツダスタジアムで広島東洋カープに敗れ、今季初の同一カード3連敗。シーズン2度目の4連敗を喫し、2位の横浜DeNAベイスターズとは7ゲーム差となった。球宴が終了した1週間前の後半戦開幕時点で両軍のゲーム差は10・5。そう考えればジワジワと追い上げられてはいるが、それほど慌てるような展開ではない。むしろ、巨人はまだ独走状態をキープしていると言えるだろう。

(cmannphoto/gettyimages)

 仮に独走のまま巨人が5年ぶりのリーグ優勝を成し遂げても、もちろん2位以下のチームには最終的にAクラスに入ればCS(クライマックスシリーズ)の出場権が得られる。今年で導入されてから13年目となるCSの詳細な説明はいまさら必要はないだろう。ただ、これだけ世の中に浸透していても相変わらずCS不要論は絶えることがない。不要論とはいかないまでも条件変更を求める声は、それよりもさらにもっと多いようだ。中でも目立つのは、やはりアドバンテージに関する提言である。

 現行の制度でCSファイナルステージではリーグ優勝球団がCSファーストステージを勝ち上がった球団と本拠地において6試合4勝制で対戦する。ここでリーグ優勝球団に与えられるアドバンテージは2008年以降から無条件で1勝と定められた。だが今季は巨人が独走優勝の気配を漂わせていることもあって、ネット上では「わずか1勝では割に合わない」とするコメントも案外多く散見される。例を挙げれば「2位に10ゲーム差以上つけた場合はアドバンテージをせめて2勝にするべき」などといった意見だ。

 確かに独走優勝であろうともアドバンテージが1勝しかないことに疑問符を投げかけるのは、至極まっとうだと思う。しかしながら、現行のCS制度改革へ積極的に動こうとする向きは球界内にほとんど感じられない。これまでもNPB(日本野球機構)で各球団の代表者が集まる実行委員会等でCSにおける1勝のアドバンテージに関して何度か議題に挙げられかけても、最上位の議決権を持つオーナー会議では本格的な議論にまで発展することがなかった。おそらく、この先も余程のことがない限りは現行の制度のままであろう。

 理由はよく言われるように興行としてCSに旨味があるからだ。日本シリーズは主催側のNPBが収益のうち決められた分配金を出場した2球団の選手らに分配する。一方でCSはファーストステージなら2位球団、ファイナルステージならばリーグ優勝球団のそれぞれ本拠地開催権を持つ側がそのまま試合ごとの収支を反映させることができる。このシステムは聞くところによれば、2位球団、あるいは優勝球団側にとってかなり〝おいしい興行権〟とのことだ。

 日本シリーズ同様、短期決戦となるCSの戦いはわずか数日間で雌雄を決することになる。当たり前のことだが、リーグ優勝球団が1勝のアドバンテージを与えられていても突破できる保証はなく、ここまでの球史においても下位球団に下克上を成し遂げられたケースも何度かあった。

 「一体何のためにレギュラーシーズンがあるのか」
「CSを実施すること自体がナンセンスで公平性に欠ける」

 などといったブーイングが毎度のごとく噴出しても、何だかんだと言われながら結局のところ毎試合の勝負の行方が両軍の運命を大きく左右する戦いになるのでCSはフタを開ければ必ず盛り上がる。レギュラーシーズンの重要なゲームに匹敵するか、あるいはそれ以上に入場料収入やグッズ販売等の売り上げが期待できることは無論、プラスして1試合5000万円前後と目される放映権料も見込めるから文字通りの〝ドル箱試合〟なのだ。

 それを踏まえた上でセ・リーグ球団の幹部は「CSは絶対に必要であり、アドバンテージに関しても大幅な変更は各球団にとっても望ましくない」と強調し、次のように続けた。

 「当事者側にとってリスクは大きいかもしれないが、やはりリーグ優勝球団に付与されるCSのアドバンテージは現行のままの1勝のみのほうがいい。もしこれが2位に10ゲーム差以上をつけたらリーグ優勝球団のアドバンテージは2勝というシステムに変わったら、CSのファイナルステージは最低2試合しかできない可能性も出てきてしまう。リーグ優勝した球団の経営者サイドとしては出来る限り、CSのファイナルが現行のシステムのまま6試合までもつれた末に日本シリーズ進出をつかみたいというのが究極の本音。

 単純明快な話だが、CSの主催試合が多ければ多いほど儲かるからだ。プロ野球はプロスポーツでありビジネスなので、やはり儲けも考えて両立させていかなければいけない。こうした総合的な見地から言わせてもらえば、リーグ優勝球団に付与されるアドバンテージは無条件で1勝というのが現状で最大限の終着点だろう」

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