医療を変える「現場の力」

2012年9月18日

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神保康子 (じんぼ・やすこ)

ライター

広告代理店勤務後独立。一般雑誌や看護師向け情報誌等のライター・カメラマンを経て国際医療福祉大学大学院医療福祉ジャーナリズム分野修士課程修了。主に医療、看護分野の取材、執筆、撮影を行う。

 朝、送迎車が到着すると、入口近くにあるホワイトボードの前に人だかりができる。

 今日は何をしようか、メニューの書かれたマグネットカードの中から好きなものを選び、今日一日の自分のまっさらな予定表に貼っていく。

 その活気に目を疑いたくなるが、実はここ、リハビリ中心のデイサービスなのだ。みんなで体操したり歌を歌ったりという方式とは異なる、自己選択・自己決定方式が、「夢のみずうみ村」の常識だ。

気分次第もOKの自己選択プログラム

 メニューには、料理教室や木工、陶芸、カラオケ、入浴などのほか、パソコン、ポパイ、あんま、足美人、ぼーっとする、カジノ、パンづくり、紙すき、気分次第など、「これ何?」と、興味をそそられるものも多い。

なんでもありのメニューに見えるが、ICF(国際生活機能分類)の35項目に当てはまるようになっている。(以下写真はすべて夢のみずうみ村浦安デイサービスセンターにて著者が撮影)

 たとえば、今日Aさんがつくった自分の予定表は、以下のようなもの。

10時~11時
読書
11時~12時
紙すき
12時~13時
食べる
13時~15時
パンづくり
16時~17時
カジノ

メニューを選んで個々が作成する予定ボード。スタッフがバーコードで記録し、どれを選んだかでその人の傾向がつかめる。

 なんだか楽しそうで、これだけ見ると一日滞在型のカルチャーセンターか何かだろうと思ってしまう。

 デイサービスというと、要介護認定を受けた高齢の人たちが日中を過ごすために利用する場所で、介護を受ける場所、というイメージがある。しかし、ここ「夢のみずうみ村」では、一人ひとりがやりたいことを選び、自分で今日一日をデザインし、できることはすべて自分の力でやる。

 もし気分が乗らなければ「ぼーっとする」「ごろ寝」もアリ。自分の意思でぼーっとし、ごろ寝をするのだ。知らず知らずに「ぼんやり」したり、無意識に「うたた寝」をするのとは違う。あくまでも自己選択・自己決定方式が基本だ。

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