人事部必見! 御社の研修ここが足りない

2012年9月25日

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 失敗を教訓にして次に生かすことが“ものづくり”の原点であり、技術者たちの気質だ。この伝統が受け継がれてきたからこそ、高品質で高い生産性が日本の製造現場に根付いたといえよう。カシオグループで精密機械を製造する山形カシオも同様だが、大量、短納期、過密な製造スケジュールという時代の変化で、失敗に学ぶことが許されなくなった。そこで始めた新人プロジェクトが、“失敗させるものづくり研修”。その成果は大きい。

【会社データ】山形カシオ株式会社
設 立 :1979年10月9日
資本金 :15億円(カシオ計算機100%出資)
代表者 :代表取締役社長 磯崎雅樹
所在地 :山形県東根市大字東根甲5400-1
社員数 :740人
事業内容:時計、デジタルカメラ、携帯電話など精密機械製品の製造、プラスチック成形品の設計、開発製造
URL :http://www.yamagata-casio.co.jp

失敗経験を学ばせる新人研修

「失敗」を学ぶという新人研修は… (提供:山形カシオ)

 製造過程で失敗を経験しない技術者はいない。設計、開発、試作を経て量産化した段階で不具合が見つかることがある。珍しい話ではないと聞く。大事なことは、原因を究明し再チャレンジしていくことであり、それが日本の技術者に共通する“技術者魂”なのだろう。だからといって、失敗を奨励する企業などあり得ない。失敗で味わう挫折感、悔しさが次のエネルギーになる。しかし、基本的に失敗は厳禁である。この流れは矛盾ではないのだ。

 カシオグループで唯一となった国内生産拠点、山形カシオでは、技術者にとって大事な失敗経験を学ばせる新人研修を実施している。「昔と違い失敗できない環境になっている状況下では、とても新人たちに仕事を任せられません。それでは育たないし、製造の喜びも知ることができない。結果、離職にまでつながってしまうこともあります」と部品事業部の佐藤龍栄課長はいう。新人に任せられないのは、一回の失敗が多額の損害につながるからだ。

 山形カシオの主要事業は、カシオ計算機の高級時計、デジカメ、携帯電話の製造のほかに、筐体(きょうたい)など成形品の設計開発、製造など。海外の生産拠点での製造立ち上げ時には、山形カシオの技術者がサポート要員として派遣される。カシオの製造技術を担う重要な生産拠点でもある。と同時に、独立企業として他メーカーの部品製造も請け負うほか、自社(山形カシオ)の独自製品開発などにも積極的に取り組んでいる。

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