解体 ロシア外交

2012年10月11日

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 前回の拙稿で述べたように、グルジアとロシアの関係は旧ソ連ならびに世界の安定に大きな影響を及ぼす。そして、グルジアの政治指導者、そしてその政策はロシアにとって極めて大きな意味を持つ。そこで、ロシアは2012年10月1日に行われたグルジアの議会選挙にも大きな関心を寄せていた。

 何故なら、後述のように、本選挙は、グルジアの政治指導者を変え得る意味を持っていたからである。国際社会もこの選挙に大きな注目を寄せ、グルジア国内からはもとより、世界から多くの監視団がこの選挙を鋭い目で監視した。その中でも、主要な国際監視団であったのは欧州安全保障協力機構/民主制度・人権事務所(OSCE/ODIHR)国際選挙監視団であるが、筆者は日本政府から派遣され、同監視団の一員として、投票前、投票、開票の動きをすべて監視した(http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/24/9/0926_02.html)。なお、筆者はトビリシの選挙監視担当となった。

選挙の熱気

 筆者がグルジアに到着したのは、選挙2日前の9月28日未明であった。選挙前日と当日は選挙活動が禁じられているため、実質的にはこの日が選挙活動をできる最終日であった。

美しいグルジアの街並み

 首都トビリシと第二の都市クタイシでは、反体制派の6政党を束ねた政治連合「グルジアの夢(Geogian Dream、以後、GDと略記)」の大規模な政治集会が行われた。筆者はOSCEから危険なので、集会を見に行かないように言われていたため、ホテルで色々なテレビ番組を見ていたが、非常に興味深いことに、テレビ局によって全く違う状況が映し出されていた。

 すなわち、野党やロシアのテレビ番組ではGDの集会が非常に大規模に映し出されているのに対し、与党系のテレビ番組では、アングルの効果か、あまり大規模ではない様子に映し出されていた。他方、与党系のテレビ番組は、黒海沿岸の諸都市で支援者の前に熱弁をふるい、病院などを訪問するサアカシュヴィリ大統領の力強い姿を積極的に映していた。

 また、GDの政治集会で興味深かったのは、GDの青い旗やGDの付与番号である41を青い地に記した旗が圧倒的多数で振られている一方、現在のグルジアの国旗に加え、「バラ革命」前の古い国旗が振られていたことである。それは「バラ革命」体制への強い批判のメッセージが感じられた。

 トビリシでは、大人から子供まで、多くの人々がGDのTシャツを身につけ、歩きながら、また車で走りながら旗を振ったりと、GDが熱狂的に支持されている様子がうかがえた。

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