シルバー民主主義に泣く若者

2012年10月25日

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島澤 諭 (しまさわ・まなぶ)

中部圏社会経済研究所チームリーダー 

富山県生まれ。1994年東京大学経済学部卒業 同年4月経済企画庁入庁。調査局内国調査第一課、総合計画局計量班、調査局国際経済第一課等を経て2001年内閣府退官。02年秋田経済法科大学経済学部専任講師、04年10月秋田大学教育文化学部准教授。12年4月より現職。

 前回の記事で見たように、わが国の将来世代まで含めた各世代の生涯純負担率の特徴としては、(1)現在世代内の世代間格差、(2)現在世代と将来世代の間の世代間格差、の2つの世代間格差の存在であると指摘できる。

 それでは、外国の状況はどのようなものであろうか。ここでは、アメリカの研究者と、オーストラリアの研究者による、やや古い2つの先行研究により、アメリカとオーストラリアにおける生涯純負担率で見た世代間格差について見てみることとする。

現代世代と将来世代の格差が大きいアメリカ

 最初に、アメリカについて見てみよう。推計時点は1991年、現在世代は1900年生まれ世代からはじまり、0歳世代は1991年生まれ、経済成長率は0.75%、割引率は6.0%というセッティングとなっている。推計結果は図1の通りである。

図1 アメリカの生涯純負担率
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 はじめに、現在世代の生涯純負担率を見ると、(1)すべての世代でプラスとなっている、つまり純受益世代は存在しないこと(日本は85歳世代および90歳世代が純受益世代)、(2)ただし、生涯純負担率は1900年生まれ世代から1980年生まれ世代にかけて上昇し、それ以降の世代ではほぼ横ばいとなっていること、(3)最も生涯純負担率の低い1900年生まれ世代でも21.5%と日本のもっとも重い世代である0歳世代の16.3%を5.2%ポイント上回っていること、(4)現在世代間の格差は12%ポイント程度と、日本の現在世代内の格差24.6%ポイントに比べて小さいこと、が指摘できる。

 次に、現在世代と将来世代の間の格差を見ると、将来世代の生涯純負担率は71.1%となっており、0歳世代の33.5%より37.6%ポイント上回ることが分かる。これは日本の現在世代と将来世代の間に存在する格差30.8%ポイントよりもはるかに大きい。

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