WEDGE REPORT

2013年5月20日

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ネット解禁法案が成立し、7月の参院選からネット上での選挙運動がスタートする。政党や候補者だけでなく、ネットユーザーの関心も高いが、他人にメールを転送できない、ハンドルネームは使えないなど、使い勝手はあまりよくない。原則自由な外国と比べて、なぜ日本の選挙運動はこんなに規制されているのか。

 4月19日、ようやくネット選挙解禁法案が成立した。選挙期間中でもインターネットを利用した選挙運動が可能になる。これで政党や政治家のホームページやブログ、ツイッターやフェイスブックなどが、投票日の12日前の公示日を境にピタリと更新が止まっていたおかしな状況が是正される。

 1998年に民主党が国会に初めて法案を提出してから成立するまで15年がかかった。当初、与党だった自民党は表向き、「ネット普及率の低さ」や「誹謗中傷がエスカレートする」との理由で法案に反対。本音では、組織票に依存する地方のベテラン議員らが、無党派層に左右され、従来の選挙戦術が通用しなくなるのを恐れていた。

 2009年の総選挙で、ネット選挙解禁をマニフェストに掲げた民主党が大勝し議論が一気に加速。自民党もメディアの露出が少ない野党時代に、党本部にネット生番組のスタジオを開設するなど積極姿勢に転じた。ネット支持者の多い安倍晋三首相が党内をまとめ、今国会で与野党が一致してネット選挙解禁法案を可決した。

 各政党は7月の参院選に向けて、候補者向けに初心者講習会を開いたり、ニコニコ動画に新しく政党チャンネルを設けたりと準備に大わらわ。有権者も「ネット上で自ら情報発信ができる」と解禁を喜んでいるかもしれないが、実際は全面解禁とはほど遠い。

受信メールを転送したら犯罪者

 国会審議では、政党や候補者への誹謗中傷となりすましをいかに防ぐかが最大の焦点となった。自民・公明の与党は、外部から内容や発信者を判別できないメールを問題視。成立した法案は、送信者を政党および候補者に、送信先も事前了承があった受信者に限定している。このほかにも様々な制限が設けられているが、これらに違反すると具体的にはどうなるのか?

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