サイバー空間の権力論

2014年9月22日

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 前回の連載では、中国による海外製品の締め出しの実態から、中国のITガラパゴス化ないしは鎖国化を論じた(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4112)。ちなみに前回の連載記事掲載直後、中国国営の新華社通信の報道によりはやければ今年10月にもLinuxをベースに独自改良を重ねた中国国産のデスクトップOSが登場するとともに、モバイル端末用OSも3年〜5年で開発することが明らかとなった。このように中国はますますIT製品の国産化に傾倒している。

 しかし技術の進歩は止まらない。OSやセキュリティソフトといった既存のIT製品を国内産で揃えたとしても、新しいコンセプトで開発される商品や、それを背景に産業構造そのものが数十年のスパンで変わることがある、インターネットがまさにそうだったように。故にIT製品の国産化だけでなく、新しい産業の創造は、今後の重要なテーマとなるだろう。

 そこで今回は、3Dプリンターと並んで産業構造を塗り替えると呼ばれる「モノのインターネット」をテーマに、「創造性」とは何かについて考えたい。

家電を中心に進むモノインターネット化

 モノのインターネット(Internet of thingsの略、以下IoTと略す)を一言で説明するとすれば、商品や設備等の物理的な「モノ」にネット接続機能を追加した状態、つまりインターネットに接続されたモノを指す。パソコンやスマートフォンはもちろんIoTの代表例であるが、近年では、テレビがIoT化=ネットに接続されたことで放送中の番組に投票ができたり、また洗濯機に遠隔操作で洗濯や乾燥を実行させたりと、家電を中心にIoT化が進んでいる。

 IoTが持つ可能性をより具体的に考えてみよう。例えばドアノブやガレージのシャッター、家の警報機など、あらゆるモノがIoT化されるとしよう。その上で、雨が高確率で降ることが予想されたとする。すると、IoT化されたスプリンクラーはインプットされた予定を変更して放水を中止するだろう。

 また、冷蔵庫が自動的に食品の衛生状態や欠乏した商品をサーチし、外出中の我々にメールで今日買うべき商品を提案するだろう。さらにその際「クックパッド」等のアプリと連動し、近所のスーパーの特売情報や、さらに健康系アプリとの連動によって、栄養面を考慮した夕食メニューと買うべき食材のサジェスト機能なども追加されると考えられる。

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