阿修羅と仏像ブーム


西山 厚 (にしやま・あつし)  帝塚山大学教授、前奈良国立博物館学芸部長

帝塚山大学文学部文化創造学科教授。前奈良国立博物館学芸部長。徳島県鳴門市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。奈良国立博物館では「女性と仏教」など数々の特別展を企画。主な著書に『仏教発見!』(講談社現代新書)、『僧侶の書』(至文堂)など。日本の歴史・思想・文学・美術を総合的に見つめ、書き、生きた言葉で語る活動を続けている。

古都を感じる 奈良コレクション

3つの世界遺産と211の国宝を有し、1200年以上にわたって続く伝統行事・文化財も多い奈良。日本文化にとって、これほど大切な土地はありません。古都の呼吸が隅々まで行き渡る奈良にはファンも多く、かつて、和辻哲郎や白洲正子、入江泰吉ら多くの文化人も、その魅力に取りつかれてきました。
本連載では、2010年に平城遷都1300年を迎えた奈良のふか~い魅力を、日本史・仏教史の専門家として活躍する奈良通の著者が、タイムリーな話題とともに紹介します。

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仏像ブームだという。

 2009年の3月から6月にかけて東京国立博物館(東博)で開催された「国宝 阿修羅展」には、およそ94万人もの入場者があった。これは日本美術の展覧会としては史上最多の入館者数だったそうで、連日長蛇の列ができていた。展示室もたいへんな混みようで、阿修羅のまわりは何重もの人垣だった。帰りに上野駅の書店に入ってみたら、阿修羅を表紙にした本や雑誌が視界いっぱいに並べられており、仏像に関する本もこんなにあるのかと思うほど配架されていた。 

 現在、阿修羅は九州へ出張中。9月27日まで太宰府の九州国立博物館(九博)で展示されている。こちらもかつてない人出だそうで、数ある日本の仏像のなかでも一番人気の阿修羅の動員力はさすがである。

 「国宝 阿修羅展」の入場者は、東博と九博をあわせると約160万人と予想されている。しかし、展覧会をみた約160万人のうちの何人が、阿修羅像が造られた理由を正確に説明できるだろうか。

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「古都を感じる 奈良コレクション」

著者

西山 厚(にしやま・あつし)

帝塚山大学教授、前奈良国立博物館学芸部長

帝塚山大学文学部文化創造学科教授。前奈良国立博物館学芸部長。徳島県鳴門市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。奈良国立博物館では「女性と仏教」など数々の特別展を企画。主な著書に『仏教発見!』(講談社現代新書)、『僧侶の書』(至文堂)など。日本の歴史・思想・文学・美術を総合的に見つめ、書き、生きた言葉で語る活動を続けている。

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