古都を感じる 奈良コレクション

2009年9月4日

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西山 厚 (にしやま・あつし)

帝塚山大学教授、前奈良国立博物館学芸部長

帝塚山大学文学部文化創造学科教授。前奈良国立博物館学芸部長。徳島県鳴門市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。奈良国立博物館では「女性と仏教」など数々の特別展を企画。主な著書に『仏教発見!』(講談社現代新書)、『僧侶の書』(至文堂)など。日本の歴史・思想・文学・美術を総合的に見つめ、書き、生きた言葉で語る活動を続けている。

 仏像ブームだという。

 2009年の3月から6月にかけて東京国立博物館(東博)で開催された「国宝 阿修羅展」には、およそ94万人もの入場者があった。これは日本美術の展覧会としては史上最多の入館者数だったそうで、連日長蛇の列ができていた。展示室もたいへんな混みようで、阿修羅のまわりは何重もの人垣だった。帰りに上野駅の書店に入ってみたら、阿修羅を表紙にした本や雑誌が視界いっぱいに並べられており、仏像に関する本もこんなにあるのかと思うほど配架されていた。 

 現在、阿修羅は九州へ出張中。9月27日まで太宰府の九州国立博物館(九博)で展示されている。こちらもかつてない人出だそうで、数ある日本の仏像のなかでも一番人気の阿修羅の動員力はさすがである。

 「国宝 阿修羅展」の入場者は、東博と九博をあわせると約160万人と予想されている。しかし、展覧会をみた約160万人のうちの何人が、阿修羅像が造られた理由を正確に説明できるだろうか。

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