不況を生き抜く管理会計

2009年2月20日

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田中靖浩 (たなか・やすひろ)

公認会計士

1963年生まれ。三重県四日市市出身。早稲田大学商学部卒。外資系コンサルティング会社などを経て独立開業。現在、田中公認会計士事務所所長。経営コンサルティングからセミナー、新聞・雑誌の連載などに幅広く活躍中。最近は落語家・講談師などとコラボによるライブイベントを展開中。日本公認会計士協会東京会・経営委員会委員長、経済産業省・財務管理人材育成システム開発事業審議委員、東京都立産業技術大学院大学「ものづくり経営人材育成講座」検討委員・講師などを歴任。著書は、『右脳でわかる!会計力トレーニング』、『経営がみえる会計』、『12日間速習プログラム決算書トレーニング』(以上日本経済新聞出版社)など多数。数点は海外にも翻訳出版されている。

「管理会計」というネーミングの失敗

 ネーミングというのは大切である。これだけモノや情報が溢れる世の中になると、我々はその中身をいちいち吟味する余裕も時間もない。だからこそネーミングが勝負を分けるポイントとなる。たとえば書籍でいえば、タイトルがとても重要になってきている。本の中身が重要なのはもちろんだが、その中身は本を手にとってもらい、買ってもらい、読んでもらわないと読者に届かない。だから手にとってもらえるかという段階で書籍のタイトルがポイントになるわけだ。出版関係者に聞いたところ、これだけ書店に本が溢れるようになると、タイトルのネーミングである程度売上が決まってしまうという。嘆かわしい事実ではあるが、それが現実である(著者の立場からは本当にけしからんと思う。とくに私のようなネーミング下手の著者はそう思う)。

 このたび本連載にて「管理会計」の執筆を、と編集者よりご依頼をいただいた。
WEDGEのweb版が立ち上がるそうだ。書く立場からすると、誠にありがたい機会である。そもそも私は昔から新幹線でWEDGEを読むのが好きだった。いまは年間購読もしている。WEDGEは読み応えのある、いい雑誌である(ヨイショっと)。

 さて問題はご依頼をいただいた連載テーマである「管理会計」。

 この言葉。ネーミング。・・・・・最悪である。

 管理会計。

 正直、何のことだかわからない。またネーミングから楽しさがまったく伝わってこない。興味も持てない。普通の読者は、この管理会計というネーミングだけで読んでくれないのではないか。そんなことを心配してしまう私だ。だいたい「管理」という言葉には暗い響きがある。権威的で高圧的なニオイがする。また「会計」という言葉はそもそも暗い。数字に弱い日本人は「会計」と聞いただけで逃げようとする。できれば係わらないで生きていきたいと思っている。だから管理会計としてしまうと暗さの二乗になってしまう。

管理会計は経営会計、そして儲けるための会計

 が、しかし、である。

 結論から言うと、会計の幅広い領域の中で「管理会計」の内容はもっとも「面白くかつタメになる」内容なのだ(いまは信じられないかもしれませんが)。
管理会計という言葉は限りなく誤訳に近い日本語かもしれない。
もともとの英語は「マネジメント・アカウンティング」。そう、直訳すると「経営会計」なのだ。経営に役立つ会計、そして経営者・マネージャーが知っておくべき会計。
もう一歩進めるなら「増益のための会計」あるいは「儲けるための会計」とでも表現できようか。

 これまでの決算書中心の会計から離れて、一歩見方を変えてみよう。そうすればビジネスを違った角度から見ることができる。儲ける方法を新たに考えることができる。
---こうしたエキサイティングで好奇心溢れる内容が管理会計のコンテンツなのだ。
この連載では、管理会計の面白さ、役立ちを読者の皆さんにお伝えしていこうと思う。
面白さをお伝えするためには机上の空論ではダメだ。企業の事例をふんだんに用いていくことにしよう。

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