したたか者の流儀

2016年9月9日

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パスカル・ヤン (Pascal Yan)

著述家

著述家。ルーヴァン・カトリック大学大学院中退(ベルギー)。証券マンとして25年間、欧州を中心に海外で過ごす。現在の職業は都内大学教授。

 

 つい最近、9月はじめに米国宇宙企業ベンチャー・スペースX社の無人ロケット「ファルコン9」が、ケープカナベラルの基地で、打ち上げ前点検中に爆発してしまった。イスラエル企業の通信衛星が焼けてしまったが、この衛星はフェースブックなどが出資してアフリカのインターネット環境を提供する予定だったそうだ。アフリカの人口は12億人だ。折も折り、FBのマーク・ザッカーバーグはナイジェリアのラゴスを訪問中だったそうだ。

TICADとは何か?

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 我が日本も、安倍晋三首相が先月アフリカに行ったことを思い出した。TICAD(アフリカ開発会議)の現地会議でナイロビに行った。そもそもTICADってなんだろうと気にしていた。既に6回目だそうで、別に閣僚級会合も何度かあった。ニュースで聞いても国民は“へー”で終わりだろう。よく説明がいる。いい名前も必要だ。この辺のテクニックはとても弱く、欲がないのが日本だろう。民間の営利ビジネスでも、うまく立ち回って公的風にする欧米を見習うべきだろう。TICADを正しく説明できるのは、外務省記者クラブ(霞クラブ)のメンバーだけかもしれない。

 公的ビジネスにしても、たとえばパリのベルシー(財務省)に行くと、パリクラブ会議場がある。大きな会議場に電話が並んでいるだけの場所だ。国家が対外債務で破綻した場合、パリクラブ入りする。本当はそんなクラブはないが債務返済計画を話し合う場のことだ。取引所のように壁から電話機がたくさん飛び出ているのは、本国と連絡を取るためだ。国際電話も停止を求められている可能性があるのでフランス政府はそれを提供してやっているのかもしれない。受話器を取る誘惑に駆られたことがあるが、どこかの国の大統領が直接出るといけないのでやめた。パリクラブのようなサービスが日本もできれば、電話代だけで国威の発揚が出来るのだが。

 少し前アルジェリアに行ったとき、空港に中国人がたくさんいたので、現地の大使に聞いた。同国に中国人が5000人くらいのいるとの答えであったような気がする。我が日本人は、数百人だろう。テロに遭って犠牲者も出たプラント現場や、訴訟にもなった道路建設を含めての話だ。 アフリカ大陸での日本のプレゼンスは中国と比較して低いようだ。その対策でもあるTICADそのものが日本においても名前が通っていないのでは困る。参加者以外、外国でもあまり知られていないのではないか。 

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