佐藤悦子 バランス・マネジメント

2010年3月24日

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佐藤悦子 (さとう・えつこ)

クリエイティブスタジオ「SAMURAI」マネージャー

1969年東京生まれ。博報堂、外資系化粧品ブランドのAD/PRマネージャーを経て、2001年よりSAMURAIに参加。既存の枠組みにとらわれず、アートディレクションの新しい可能性を提案し続けるプロジェクトのマネージメント&プロデュースに幅広く携わる。著書に『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』がある。ブログは日々更新!
 

 ウェッジ・インフィニティ読者のみなさま、こんにちは。

 先週は、スポーツや読書、コンテンポラリーアートなど、私の「好きなものと、その理由」についてでした。

 今週は、私が3回の転職で学んだことについて、ふりかえってみたいと思います。ここでの出会いや学びが、今の私を作っていると言っても過言ではありません。

与えられたことを力の限りまっとうする

 最初に社会人としての基礎を学ばせていただいたのが、新卒で入社した博報堂でした。そこでは、ルーティンともいえる日々の雑務をおろそかにしないことの大切さ、対人関係への気配り、さらにはプロジェクトを円滑にまとめることなど、仕事をする上での基本的なことを一から教えていただきました。全く至らない点ばかりではありましたが、与えられたことに対して、自分なりに“ていねいに、そして“自分の力でできる限りまっとうする”ように努力した6年間でした。

 結婚を機に退職を申し出たあと、当時のクラランス責任者の方と親しかった取引先の方から「『クラランス』がPRマネージャーを探しているから」と、外資系化粧品ブランドのPRという憧れの仕事を紹介して下さるという幸運に恵まれました。

 外資系のPR職には、英語力が求められますが、当時、私は英語がまったくできませんでした。にもかかわらず、英語については、周りに助けてもらいながら習得すればいい、それ以上に重要なことは日本のメディアと良い関係を築いていくことだということで採用していただいたのですが、このことは私に2つのことを教えてくれました。

 ひとつは、多少の嫌なことがあったとしても、今、自分に与えられた仕事に全力で取り組むことの大切さ、そして結婚も仕事もと欲張らず、今、自分にとっていちばん大切なものだけを選び、後は潔く捨てることの大切さです。そうすれば自ずと次の道が見えてくるものだという教訓になっています。

仕事も人生も楽しむ生き方

 そして、いざ化粧品業界に飛び込んで、とても驚かされたのは、仕事も家庭も普通に両立させている輝いている女性が当たり前のように大勢いるという事実でした。今はわかりませんが、90年代の広告業界は男性が中心となって回っているいわゆる“男社会”で、女性の多くが結婚をすると、退社して家庭に入るか、総合職だったのを一般職に変えて家庭とのバランスを保つか、結婚や出産を選択しないかということが、私の周りでもよく見受けられました。

 ところが、化粧品業界では、年齢や職種に関係なく、生き生きと仕事をしながら「もう大学生の息子がいるのよ」とおっしゃる方もいて、ご主人とも仲が良く、休暇も楽しく旅行をなさっていたりと、私が人生にあったらいいなと思っていたことを普通に実現している、美しくダイナミックな女性がたくさん存在していたのです。

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