赤坂英一の野球丸

2017年1月4日

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 日本ハムの球場移転問題が、ここにきて急展開を見せている。昨年5月に球団が新球場建設構想を打ち出して7カ月、年の瀬の12月になって大阪に本社を置く親会社も了承し、社内に新球場建設のための特別チームを設置すると発表。2023年ごろの完成を目指して本格的に移転計画を進めていくことになった。

 現在の札幌ドームは年間使用料が約15億円に上り、広告料やグッズ販売の収益もかなりの割合で吸い上げられているため、日本ハムには大きな負担となっている。そこで自前の新球場を建てようと検討を重ねていた昨年、北広島市が誘致に名乗りを上げたのだ。すでに球団側に独自の建設プランも示しており、球場をつくるだけでなく、周辺地域を〝ファイターズタウン〟として再開発、様々な地域密着型のビジネスを展開し、その利益を球団と分かち合う計画も練っているという。

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 そうした事態に対し、札幌市の対応は後手に回っている印象が強い。新球場建設構想が表面化して以来、札幌市は日本ハムに対して札幌ドーム残留を訴えている。地元・北海道新聞などの報道によれば、これまでサッカーやコンサート会場と共用としていたのを野球専用とすることを軸に、残留のための条件も提示したそうだが、球団側は前向きな返事をしていない。このままでは残留が困難と判断した秋元克広・札幌市長は、札幌市内に新球場を建設することも視野に入れ、市役所の担当部局に候補地の選定を指示している、と伝えられる。

 私個人としては、札幌ドーム残留には賛成しかねる部分が多い。ファンの立場で考えた場合、最大の問題は試合後に帰りの足が確保しにくいことである。札幌ドームは札幌市営地下鉄の最寄り駅・福住から徒歩10分ほどの距離にあり、2万人以上の観客が入った日は試合後にドームから福住駅まで行列が続く。便数も車両も少ないため、市の中心街まで1時間以上かかることも珍しくない。それではとタクシーを使おうとすると、やはり乗り場で1~2時間待ちだ。ナイターの場合、一杯飲んで帰ろうとススキノまで行ったら、夜間料金で3000~4000円かかる。いずれも、私が自分で経験した話だ(一部の観客やマスコミ関係者は別の場所からつけ待ちしているタクシーに乗れるようになってはいるが)。

 仕事をする上で困るのは、ネット裏のスタンドにある記者席・放送席からトイレが遠いことだ。我慢できなくなったら、2階ぶんの階段を駆け下りて一般観客用のトイレに並ぶのだが、有名な解説者はそうもいかず、イニングの合間に大急ぎでエレベーターに乗り、地下フロアのトイレまで全力疾走しなければならない。昨年の日本シリーズの取材中、私はある広島OBの解説者とエレベーターのドア付近で正面衝突しそうになった。日本ハムの関係者にその話をしたら、「将来ウチが自前の球場を持てるようになれば、そういうこともなくなりますよ」と苦笑いしていた。

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