1.台湾探検 Discover Taiwan ちょっぴりディープに台湾体験
片倉真里:著 片倉佳史:写真
知っているようで知らない台湾。
誰かに話したくなる多彩な情報満載。
日本人の行きたい海外旅行先アンケート等で、必ずと言っていいほど上位に名を連ねる台湾。安価で美味しい名物料理やどこかノスタルジックな街並みについてイメージできる人は多くても、世界三大宗教行事の一つ、大甲媽祖巡礼が台湾全土で熱く盛り上がることや、人気の愛文マンゴーが実は土着種ではなくフロリダから持ち込まれたものであることを知っている人は少ないのでは?本書は様々なグルメや土地の文化背景、大都会から地方都市、さらには原住民族と秘境文化まで多彩に取り上げ、ひと味もふた味も違った台湾読本となっています。
文化、土地、そしてそこで生きる人々…
台湾の尽きない魅力に寄り添った読書体験。
本書では、現代の台湾で新たな潮流を生み出すべく奮闘している人々についても触れられています。中にはカフェやショップを開いてもうまくいかないケースもあるのだとか。しかし台湾の人々は失敗よりも果敢に起業したことを讃えるのだという現地の人の言葉から、旺盛なチャレンジ精神をもち失敗してもそれを乗り越え未来形の思考で生きていく人々に出会い、得られたものは少なくないと著者が語る部分もあり、読んでいる側まで前向きなパワーがもらえそう。人と土地の魅力が一体となって語られた本書で、フォルモ_サ(美麗島)の異名をもつ台湾への思いを馳せてみませんか。
2.増補版 台北・歴史建築探訪
片倉佳史 文・写真
台湾好きはもちろん、
建築や歴史に興味がある人必見!
台湾在住作家である片倉佳史氏が、台北市内に残る日本統治時代の建築物を20年ほどかけて取材・撮影してきた渾身作で、豊富なカラー写真と、歴史、文化、地理などの要素を盛り込んだ、詳細な紹介文が魅力です。
2019年発刊の初版では、台北を11のエリアにわけ、171件の歴史建築を紹介していますが、今回発刊する増補版では、約40件を新規追加。新規追加の建築はコロナ禍の間にリノベーションをし、レストランやカフェなど、実際に訪ねてみたくなるところを多く追加しました。
日本人と台湾人がともに暮らした半世紀を振り返ることができ、さらには、また台湾を旅したくなるような豊富な情報が詰まった一冊です。
より楽しく、より深く豊かに。
読めば台北散策が何倍にも充実。
著者は、著名な大型物件だけでなく名もなき遺構や民家などにも目を向けたと語っており、日本遺産建築を幅広く網羅。綿密な聞き取りと地道な情報収集活動の結晶と言える本書では、今なお台北社会に息づく建物それぞれが秘めた物語と出会うことができます。そこからは、かつての日本人との関わりや台湾の人々の歩みが見えてきます。また本書は歴史的読みものとしてだけでなく、台北散策ガイドとしても有用なのが嬉しいところ。巻末にはエリアごとに現在の建物の利用状況、見学可能か否か、立ち入り禁止か否か等がわかりやすくまとめられ、リスト化されています。
3.台湾 旅人地図帳 台湾在住作家が手がけた究極の散策ガイド
片倉 佳史 ,片倉 真理
台湾は魅力あふれる宝箱。
発見の楽しさに満ちた旅へ出かけたい!
台北は誰もが知る台湾の経済・文化の中心地ですが、他にも台湾には魅力的な地域が沢山存在しています。台湾在住歴の長い片倉さんご夫妻ならではの見識が活かされた本書では、約80のエリアやスポットを選り抜いて紹介。有名な都市だけでなく、マイナーな小都市な離島まで網羅し、人と被りたくない旅行先を探している人にもおすすめのガイドブックです。また、路地裏やごくごく小さなお店等も取り上げられているのも特色の一つ。旅好き人なら誰しもが抱く感慨だと思いますが、旅の醍醐味は有名スポットのみにあらず!です。
まだ見ぬ土地への夢がふくらむ…
旅ゴコロを刺激するガイドブック。
本書は駅やバスターミナルを起点に「歩くべき路地」が明記されており、わかりやすく見やすい実用性満点の個性派ガイド。行った先で役立つのはもちろんですが、風情ある景色が素晴らしい、食べ物が美味しそう…フルカラーのページのめくり、写真や文章を見ながら旅への夢をふくらませる楽しみ方も。次はここに行ってみたい、こんなことをしてみたいと想像の翼を刺激してくれる、そんなガイドブックでもあります。片倉さんご夫妻の丹念な取材の元に生まれた本書からは、台湾の魅力に広く触れてほしいというお二方の思いが感じられます。
今回の特集でご紹介した本は、いずれも一般的な台湾のガイドブックではないと言えるでしょう。映えスポットやスィーツよりも、琴線に触れる何かと出会えそうな3冊…ぜひご一読ください!