歌人・塚本邦雄の知られざる素顔に、新進作家が書き下ろし評伝で迫る
生涯に二十四冊の歌集とおびただしい小歌集、小説・評論・句集を遺した現代短歌の極北にそびえる歌人塚本邦雄。だが、『水葬物語』でデビューする以前の青年時代は謎に包まれていた。 故郷の近江で暮した幼少期、戦時下の呉で短歌に目覚めた青年期、鮮烈なデビューを果す前の習作期――気鋭の小説家楠見朋彦が資料を博捜し、塚本邦雄の知られざる素顔に迫る。文庫オリジナル。
小説家。1972年大阪生まれ。1994年より塚本邦雄に師事。韻文定型詩の要諦を学ぶ。1999年、『零歳の詩人』(集英社)ですばる文学賞受賞。同作と『マルコ・ポーロと私』(集英社)、「小鳥の母」で芥川賞候補に選ばれる。平成12年度大阪市咲くやこの花賞受賞。書き下ろし長編小説『釈迦が寝言』(上下、講談社)、『ジャンヌ、裁かるる』(講談社)。