ベストセラーで読むアメリカ

2010年10月29日

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■今回の一冊■
CRIMES AGAINST LIBERTY
  筆者David Limbaugh, 出版社Regnery, $29.95

 またまた、保守派の論客による反オバマ本の登場だ。筆者は弁護士でもある政治評論家だ。既存の反オバマ本と同じように、小さな政府を信奉する保守派らしく、金融機関などを国有化した経済政策などを痛烈に批判する。本書のタイトルも直訳すると「自由に対する数々の犯罪」となり、連邦政府が肥大化し個人の権利や自由が抑圧されることへの警戒感を示す。

 本書は9月に、ニューヨーク・タイムズ紙の週間ベストセラーリスト(ウエブ版9月3日付)の単行本ノンフィクション部門の第1位で初登場し、10月にかけ6週連続でトップ10にランクインした。11月2日の中間選挙を前に、反オバマ本の売れ行きに勢いがあるところをみても、民主党が選挙で苦戦するのは必至とみられる。

 医療保険改革への反対など、本書は既存の反オバマ本と同様、オバマ政権の経済や社会保障政策を、社会主義的な政策として目の敵にして批判する。本コーナーでもこれまで、反オバマ本を取り上げて、保守派の同様の主張を紹介してきた。最近の反オバマ本の特徴としてはさらに、オバマ大統領の人格を攻撃する点は見逃せない。特に、「オバマ大統領はナルシストだ」というのが最近、保守派の論客から吹き出している批判だ。

 本書ではまっさきに、第1章「ナルシスト」の冒頭で次のように始める。

 Who is Barack Obama? To say that he has an enormous ego is an understatement. Many commentators, including psychological analysts and foreign leaders, have described him as a narcissist. (p15)

 「バラク・オバマとは何者か? 巨大なエゴの持ち主と言うだけでは不十分だ。精神分析の専門家や海外の国家元首らも含め、多くの論者たちが、オバマのことをナルシストだと言っている」

実績ないのに自伝は2冊目!?

 例えば、ほとんど政治家として実績のないまま大統領に就任したにもかかわらず、オバマ大統領は早くも自伝を出版していた点に、次のようにかみつく。

 Obama’s patent self-confidence is not just posturing. It’s evident he truly believes he is special. He did, after all, pen two largely autobiographical books before he had accomplished much of anything. (p16)

 「オバマの専売特許である自信過剰は単なるポーズではない。自分のことを特別な存在だと本気で信じているのは明らかだ。実際、オバマは何かをなし遂げるまえに、はやくも2冊も自伝を著した」

 さらに、詳細なデータをもとに、ナルシストぶりを追及していく。オバマ大統領の演説での言葉づかいについて本書は次のように指摘する。

⇒次ページ・・・演説で何回自分の話をしたか数えるメディア

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