As columnist Jeff Jacoby pointed out, when Obama’s presidency began he used the royal “we” in describing his preferred policies, but by the time he addressed Congress around a month later, he was already using “the naked ‘I.’” Jacoby noted Obama used “I” thirty-four times in his speech on the federal takeover of General Motors alone. (p16)
「コラムニストのジェフ・ジャコビーが指摘したように、オバマは大統領に就任した当初は、自分の好みの政策を説明する際、しおらしく『わたしたち』という言葉を使っていた。ところが1カ月たって議会で演説する際、オバマはすでに『露骨に“私”』という言葉を使った。ゼネラル・モーターズを国有化する際の演説の時だけで、オバマは『私』という言葉を34回もつかった」
オバマ大統領の演説については、さらに次のように手厳しい。
Obama’s numerous self-reference soon became legendary. According to Kevin Hall of the Des Moines Conservative Examiner, Obama referred to himself 114 times in his first State of the Union. He said “I” ninety-six times, and used “my” or “me” eighteen times. By September 23, 2009, FOX News reported Obama had given forty-one speeches so far that year, referring to himself 1,198 times. (p17)
「オバマが自分のことを盛んに話すことは、すぐに伝説的なものになった。デモイン・コンサバティブ・イグザミナーのケビン・ホールによると、オバマは最初の一般教書演説で、自分自身のことに114回も言及した。『私』が96回、『私の』や『私に』が計18回にものぼった。FOXニューズによると、2009年9月23日の時点で、オバマはその年に41回演説をしており、そのなかで計1198回も自分のことに言及した」
このように、オバマ大統領は自分のことしか頭にないから、アメリカという国や国民のことを愛していないし考えていない、と本書は主張する。次のように、オバマ大統領による謝罪外交にも不快感を示す。
Whether delivered on American or foreign soil, his message was the same: America has been bad in the past, including the recent past. I had nothing to do with it, of course, but as its current leader I apologize. And I expect the slate to be wiped clean because I’m in charge now. (p328)
「アメリカにいようが、国外にいようが、オバマが発するメッセージは同じだ。ごく最近のことも含め、アメリカは過去、行いが悪かった。もちろん、自分はそのことに関係はない、しかし、今は国の代表なので謝罪する。そして、今や自分が大統領になったのだから、過去のことは水に流してもらうことを期待する、というものだ」
そして、オバマ大統領の歴史認識についても批判する。
With such a warped view of America, Obama doesn’t seem familiar with America’s benevolent actions toward other nations, such as fighting the spread of Communism, liberating peoples―including many Muslims―from oppressive governments, helping to defeat the Imperial Japanese and the Nazis in World War Ⅱ, or rebuilding vanquished nations through the Marshall Plan. (p330)
「アメリカに対してゆがんだ見方を持っており、オバマはアメリカによる他の国々に対する献身的な行いを、よく知らないようだ。アメリカは共産主義の拡大と戦い、イスラム教徒も含め多くの人々を独裁国家から解放し、第2次世界大戦では日本帝国とナチスを打ち倒すのに協力し、あるいはマーシャルプランを通じて敗戦国を再建したのだ」
本書からは、アメリカの保守層の根強いオバマ大統領への反発が容易に読み取れる。「チェンジ(変革)」を合言葉に高まったオバマ人気も今や勢いをなくし、オバマ大統領の支持率は下がり続けている。オバマ民主党が11月2日の中間選挙で苦戦するのは確実で、アメリカ議会の下院で共和党が過半数の議席を確保する可能性も高まっている。