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2018年8月9日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

 新築マンションを建設する大手デベロッパーへのアドバイザリー業務などを手掛け、長年にわたり首都圏マンションをみてきたトータルブレインの久光龍彦社長に聞いた。

 「今起きているのは、人が流れ込んできている都心6区のマンションは価格が上がる一方だが、郊外マンションは売れなくなっている」

 と指摘する。消費税増税の影響については、

 「今年の秋から来年の3月までマンション販売会社は猛烈にセールストークの材料にするだろう」

 と話し、駆け込み需要が起きると予想した。

(bluebay2014/Gettyimages)

共働きが敬遠する郊外マンション

 「郊外マンションを買っている人は年収が500万円から600万円の中小企業に勤務する人が多く、70平方メートルくらいのを3500万円くらいで買っていた。しかし、建築価格の上昇で、この価格が郊外でも4500万円くらいに上がってきている。問題なのは、中小企業に勤務している人は、マンション価格が値上がりしたものの、それに見合うだけ所得が増えていないことだ。このため大手でも価格が高い郊外マンションは多くが売れ残っている。10~15%下げないと売れないだろう」

 と分析する。久光氏の念頭にある郊外の範囲は、横浜、八王子、狭山、春日部、柏、八千代を結んだ国道16号線より外にある地域を指している。

 都心のマンションが人気な理由として、

 「共働き世帯の増加を挙げる。30歳代ではいまは75%が共働きになっているほどで、女性の場合は郊外マンションに住んで、子供を保育所に預けて働くとなると通勤が大変になる」

 と、郊外マンションは共働き世帯からは敬遠されがちだという。

久光 龍彦(ひさみつ・たつひこ)1940年生まれ。64年に長谷川工務店(現長谷工コーポレーション)に入社。83年に同社専務、86年に長谷工不動産社長、99年からトータルブレイン社長

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