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2019年3月28日

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朴承珉 (パク・スンミン)

在韓ジャーナリスト

在ソウルジャーナリスト。時事通信ソウル支局記者を経て、「文藝春秋」「週刊文春」のソウル特派員。長年、北朝鮮問題をウオッチ。平壌や開城工業団地、板門店、金剛山など7回以上北朝鮮入りして取材。日韓メディアに寄稿している。

「金正恩委員長の非核化への意志、一貫してなかった」

金委員長は非核化に、ある時は太っ腹に話して、また、ある時は退く姿を見せた

北朝鮮、「グアム・ハワイの戦略資産を撤退させろ」と要求

REUTERS/Jorge Silva/Pool (Vietnam)

 ハノイ米朝会談が決裂したのは、北朝鮮が寧辺の核・施設廃棄に対する具体的な言及なしに、その廃棄の見返りに全面的制裁解除を主張したことが主な理由として知られてきた。ところが、それだけがすべてではないという新しい証言が出た。

 マイク・ポンペイオ米国務長官が中央情報局(CIA)長官の時から平壌に同行し、通訳兼実務の一員として交渉に臨んでいたアンドリュー・キム元米中央情報局コリアミッションセンター長が最近韓国入りし、「北朝鮮はグアムとハワイなどの戦略資産を撤退させなければならないと主張してハノイ米朝会談が決裂した」と非公開の講演で明らかにした。

 キム氏は講演で、「北朝鮮はB-2爆撃機を含めて戦略資産の韓半島(朝鮮半島)の展開だけでなく、米国内にある韓半島に展開が可能な兵器も廃止しなければならないとシンガポール会談の時から主張してきた」と証言した。これは、北朝鮮がいつ、どのような方法で核兵器や核物質・施設などを廃棄するというタイムテーブルは示さず、事実上、韓国への米国の核の傘を除去し、インド太平洋司令部を無力化させようという意図とみられる。

 米国の戦略資産の韓半島への展開を中断せよということを超えて、グアム・ハワイから外せというのは米国としては受け入れられない要求である。これまで伝えられてきた内容以上に、米朝間の非核化に対する認識の差が大きいことがうかがえる。

 シンガポールでの1回目の米朝首脳会談実現のために北朝鮮側と交渉してきたキム前センター長は、昨年、平昌冬季五輪の期間中に、韓国に入って来た北朝鮮のメン・ギョンイル統一戦線部副部長と米朝会談の実務準備と核問題に対して、長期間にわたって随時協議したことで知られている。キム氏は昨年末に辞任したが、現在もポンペイオ長官の非公式諮問機関で、スティーブン・ビーガン米北朝鮮政策特別代表にアドバイスしている。

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