ペットビジネス最前線

2012年4月12日

»著者プロフィール
閉じる

成田 司 (なりた・つかさ)

ブリーダー、ペットショップ、ドッグカフェなどに勤務し、ペット業界を幅広く知り尽くす。現在は日本版ティアハイム(保護施設)建設を目指すGiraf Project(http://somode.info/giraf/)を主催。

 少し年輩の方をペットショップに連れていくと、きっとこんな声を聞くことが出来るのではないでしょうか。

 「なんでペットショップでラーメンやおでんが売っているんだ?」

ラーメン、おせち、ケーキ… 
広がるペット用食品

 お正月・バレンタイン・ひな祭り・端午の節句からハロウィン・クリスマスそして大晦日。多くの商店では、季節ごとの飾り付けや行事に必要な品物・食材などを顧客に提供してくれます。顧客を飽きさせないこと、提案商品の購買意欲をそそることがビジネスとして重要なのは、周知の事実だと思います。

 これはペット業界でも同様ですが、最近では多くの商品を扱っているショッピングモールやホームセンター内のペットショップの陳列棚で、他の売り場と同様に季節感を意識した飾り付け以外にも「え、こんな物まで??」と目を疑うような商品が並んでいるのを見ることが出来ます。

犬用「おせち」の一例。もちろん、食材は犬が食べられるものを使用している
拡大画像表示

 ペット用の食品として「パン」「ケーキ」「おせち」「せんべい」「牛乳」などはすでに珍しくもない商品ですが、「ラーメン」や「たこ焼き」「お花見弁当」「ビール」「ワイン」「スポーツドリンク」「アイスクリーム」なんて商品までが並んでいます。レンジでチンする「カップケーキ」など子供のおやつのような商品まで販売されていたり、「バースデーケーキ」に至っては主役の顔を模(かたど)ったオーダーメイドまで受けてくれます。もちろん、ペットが食べられる食材を使って、見かけをそっくりに作った商品です。

2万食売り上げた「わんこ用お雑煮」

 ほんの数年前まで、ペット用のおやつといえば、お肉やお魚のジャーキーやビスケット程度のラインナップしかなかったのですが、今や人間の子供同様に扱う飼い主の需要が広がったことと、新規参入業者の技術などによってその種類や商品数は広がりを見せています。

 季節限定の商品の売れ行きが良いのは、ヒト向けの商品と変わらないようです。昨年末に「わんこ用お雑煮」を製造した業者の話では、「昨年は震災の影響もあって製造に時間がかかったため、1シーズンに2万食の売り上げで終わったが、今年は製造を早めて倍以上の売り上げを見込んでいる」とのことでした。また、ヒト用の焼き菓子を製造している工場がペット用の需要を見込んで、専用の製造ラインを新規に立ち上げ、間もなく稼働という話もあります。

 1兆円産業と言われるペット産業。中でも市場規模約3000億円(冨士経済 https://www.fuji-keizai.co.jp/market/11106.html)というードは、ビジネスとして魅力的なものなのでしょう。

おやつで病院に担ぎ込まれるペットも

 季節ごとのおやつ商品などは、飼い主にとってだけでなくペットたちにとっても魅力的なようで、普段は味わえないご馳走を嬉しそうに食べてくれます。しかし落とし穴が一つ。これが原因で病院に担ぎ込まれる子が少なからず存在するのだそうです。食べ過ぎや慣れない食材によっての消化不良、装飾を一緒に食べてしまう誤飲などが主な理由です。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る