向上心と好奇心ある
インターネット問屋の社員たち
創造力加味させ専門家を育成

case(9)ラクーン


海部隆太郎 (かいべ・りゅうたろう)  ジャーナリスト

日本工業新聞記者、IT企業の広報部長を経て、現在フリージャーナリストとして活躍。

人事部必見! 御社の研修ここが足りない

人材こそ最大の財産。日本の企業は人材教育に多くの「知恵」と「時間」をつぎ込んできた。業界ごとに必要とされる研修は異なる。それでも研修には企業文化が色濃く反映されているはずだ。企業文化そのものである研修にスポットをあて、研修内容、社員・会社や時代の変化などを描写する。さらに企業、業界が抱える課題克服に研修がどう役立ったのかを探る。

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メーカーと小売りをネット上でつなぐ中間流通業がラクーンの主要事業だ。全国津々浦々までをカバーできる広域性とスピーディーな取引が、インターネットを利用することで可能になった。その仕組みを構築しビジネスとして立ち上げたネット界の老舗問屋でもある。自他ともに認めるリーデングカンパニーを維持し続ける秘訣が、社員育成の姿を通し垣間見ることができる。

【会社データ】
設 立 : 1995年9月(創業1993年9月)
資本金 :7億4490万円
代表者 :代表取締役社長 小方 功
所在地 :東京都中央区日本橋蛎殻町1-14-14
社員数 :101人
上 場 :東証マザーズ
事業内容:ファッション・雑貨向けB2Bサイト「スーパーデリバリー」の運営、決済サービス「Paid」の提供など
URL :http://www.raccoon.ne.jp

100万円の資金で創業
ネットビジネスの先駆け的存在

 建設コンサルタント企業での勤務を経て、アパートの一室で小方功社長が始めた個人事業。日本でインターネットの商業化が本格化したのは1994年ごろから。その翌年には会社組織とし98年に過剰在庫品を取扱う企業間取引サイト「オンライン激安問屋」をインターネット上に開設している。一般消費者を対象にしていないせいか、アマゾン、楽天などと比べ社名の知名度は低いが、ネット利用ビジネスでは日本でも草分け的な存在といえよう。

 2006年4月に東京証券取引所マザーズに株式を上場。わずか100万円の資金で創業してから19年で、売上高を約100億円にまで伸ばした。「創業以来、一度も売上高を落としたことがありません。着実な経営をしていく方針ですので、その意味では地味に見えるでしょう」と小方社長。センセーショナルな事業展開で一世を風靡して、消えていくベンチャー企業とは異なる側面があることを感じさせる。

ラクーンが運営する小売店向け卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」

 ラクーンが展開する事業は、ネット上の問屋であり、そこに不可欠なのはお互いの信頼関係、つまり信用である。アイデア勝負で早期に事業を立ち上げ、流行をつくっていくビジネスとは違い、信用を築くのは時間がかかる。逆に何か問題が発生すれば、一瞬にして信用はなくなる。インターネットが信用を作るのではなく、人が積み上げていく。信用を壊すのも人だ。ゆえに広義でみて社員を育てることの重要性がわかる。

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「人事部必見! 御社の研修ここが足りない」

著者

海部隆太郎(かいべ・りゅうたろう)

ジャーナリスト

日本工業新聞記者、IT企業の広報部長を経て、現在フリージャーナリストとして活躍。

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