メディアの明日

2012年11月19日

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 10月15日、ビジネス経済専門のCS放送局「日経CNBC」が、新しいインターネット配信サービス「NIKKEI Channel <Markets>」を始めた。

 キャッチコピーは「スマホでマーケッツ」。スカパーやケーブルテレビを通じて放映しているCS番組を、リアルタイムでそのままインターネットに流すという取り組みだ。

 11月いっぱいまでは無料登録期間だが、12月3日からは月額945円(税込)の有料課金が始まる。11月19日(月)から30日(金)までの2週間は、プロモーションウィーク第2弾として、ドワンゴ(東京都中央区)が運営する「ニコニコ動画」で無料特別番組が実施される(平日のみ、各日22時から)。26日(月)21時からは東京原宿ドワンゴ本社のスタジオを使った『もっとマーケッツに聞け!』という生収録番組も放送される。

なぜ「スマホでマーケッツ!」なのか

取材に答える日経CNBCの直居敦氏

 実際の番組をまるごとリアルタイムでネットに流すというのは、テレビ業界では画期的な取り組みである。

 「放送と通信の融合」と言われながら、地上派ではこれまでなかなか実現しなかった。震災後、停電でテレビを見ることができない視聴者への配慮から、緊急的にサイマル生放送が試みられたが、しばらくすると中止された。

 NHK(NHKアーカイブス)や民放各局が一部番組で録画再放送をインターネットで有料放送しているが、 これらはいわゆる「ビデオ・オン・デマンド」だ。ネットに流すのは「実験的か、一部分か、生ではない(録画)」。これがテレビ業界の限界と言える。

 背景にあるのは「カニバリズム」だ。放送エリアの問題や広告主との関係などがあり、テレビ局はどうしてもサイマル放送に積極的になれない。

 日経CNBCの問題意識はこうだ。

 「これまでテレビがなければ番組は見られなかった。家庭の真ん中に鎮座しているテレビという場所の軛(くびき)から離れて、新しい視聴者を獲得したい。解説つきのマーケット情報を、もっと外に持ち出してもらいたい」(編成戦略本部の直居敦部長)。

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