チャイナ・ウォッチャーの視点

2013年1月16日

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 2013年の中国経済を展望するにあたって、年明け早々の1月11日に公表されたある経済指標が実に重要な意味を持ってくる。

 その日、国家統計局は2012年12月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比2.5%上昇したと発表した。食品の値上がりなどで上昇幅が前月より0.5ポイント拡大した結果である。同局の発表によると、10月の消費者物価指数が1.7%だったから、この数カ月間における物価の上昇傾向は顕著である。

 上昇の原因に関して、日本の一部のマスコミや専門家は、厳冬の襲来によって野菜など生鮮品の品不足から生じた一時的現象であるとの分析を行っている。しかし中国国内ではむしろ、「インフレの再燃」を予兆するような危険な動向として捉える人が多い。

各紙が報じた「インフレ再燃」に対する懸念

 たとえば「国際金融報」という経済専門紙は1月8日付で「新年早々多種多様の商品が値上げ、インフレ率は上昇の方向へ転じるか」というタイトルの記事を掲載し、インフレの再燃に対する懸念を表明した。北京に拠点を持つ「京華時報」という新聞も、1月9日付で「肉・卵・野菜は数週間連続で値上げ、物価の上昇は長期的すう勢となるか」と題する記事を掲載して、物価の上昇が一時的な現象ではなくむしろ「長期的なすう勢」となることを、専門家の発言を紹介しながら予測している。

 そして翌日の1月10日、今度は「経済参考報」という有力経済紙が「物価上昇の圧力増大、インフレの傾向は楽観視できない」と題して、生活の現場で感じられた物価上昇の深刻さに焦点を当てながら「強いインフレ傾向」に対して警告を発した。さらに同じ日に発行された「毎日経済新聞」の関連記事では、「安邦諮訊」という経済関係の研究・コンサルタント機関が出したレポートの論説が次のように紹介されている。曰く、「2013年初頭からの物価上昇は、季節性的なの変動ではなく、13年における物価の変化の大きさを予兆するものだ。今年の物価上昇の勢いはわれわれが想像する以上に強いものとなろう」という。

 このようにして、中国国内の多くの専門紙や専門機関は、今年に入ってからの物価の上昇は今後の1年を通しての全体的傾向であると捉え、インフレ再来に対する懸念を表明していることがよく分かるであろう。つまりこの2013年において、「インフレ再燃」の悪夢は再びやって来るのかもしれない、ということである。

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