WEDGE REPORT

2013年4月17日

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 国産自動車に使われる韓国製部品が急増している。2012年の韓国からの自動車部品輸入額は486億円と過去最高を記録。韓国製の汎用部品は、日本製と比べても品質面で遜色なく、価格は安い。昨年までのウォン安の影響も加わり、リーマンショック後の09年と比べて1.8倍にもなっている。

 この流れをさらに加速させる動きが日韓を跨いだ「ミルクラン」だ。ミルクランとは物流用語で、業者が酪農家を回って牛乳を回収するように、メーカーがサプライヤーを回って少量の部品を集荷する方式をいう。混載して輸送するため、小ロットをリアルタイム発注でき、物流コストと在庫コストを下げられる。

 日産自動車は、昨年10月から韓国の部品メーカーとの間でミルクランを本格的に開始した。日本のナンバーを付けたシャーシ(被牽引車両)を韓国ナンバーのヘッドが牽引し、韓国内の部品メーカーを巡回。自動車部品を集荷して、釜山港からシャーシだけが関釜フェリーで下関に運ばれ、港で日本ナンバーのヘッドを付けて福岡県苅田町の日産自動車九州の組立工場に運び込まれる。

 港でコンテナをシャーシから船に積み替える必要がなくなるため、荷役作業のコストと時間を削減。これにより、「月次発注からデイリー発注に切り替え、在庫日数を25日から3日に短縮することができた」(日産広報部)。釜山港湾公社日本代表部の張馨鐸氏が「韓国でのミルクランに興味をもった日本の自動車メーカー系大手商社から、釜山港を見せてほしいと相談を受けました」と話すとおり、日産以外にも九州北部に工場をもつ他社にも拡大する動きがある。

 乗用車は「道路交通に関する条約」により締結国間で相互乗り入れが認められている。輸送車両は各国により安全基準が異なるため、相手国で車両の検査登録を受けなければ走行できない。11年9月に、韓国政府が日本のシャーシの国内走行をパイロットケースとして認めたことで、日産の日韓ミルクランは実現した。

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