WEDGE REPORT

2013年4月25日

»著者プロフィール

 4月28日から安倍晋三首相はロシアを訪問し、首脳会談が行われる予定だ。日露首脳会談は野田政権下の昨年12月に1度セットされたが、政権末期の首相との会談を嫌ったのか、ロシア側からの申し入れでキャンセルされた経緯がある。それだけに高い支持率を維持する安倍首相のもとでの首脳会談に「ようやく本格的な議論ができる」(外務省幹部)と期待感が高まっている。

 日露間の最大の懸案である北方領土問題をめぐっては新たな動きが見えてきている。2月に森喜朗元首相がロシア訪問したときのことだ。

 「四島一括返還が実現すれば日本の勝ち。現状維持ではロシアの勝ち。どちらも恨みが残り、平和的解決にならない」。

 プーチン大統領との会談後、森元首相はモスクワ市内の大学で行った講演でこう述べて、領土問題の解決には日露双方が譲歩すべきとの考えを示した。

 この考えは、昨年3月にプーチン大統領(当時首相)が会見で、解決に向けた道筋について柔道家らしく「引き分け」という日本語を使い、「(双方が)勝利し、負けないために勇気ある行動を取らなければならない」と述べたことを受けたもの。

 今回の森元首相の訪ロはこのときのプーチン大統領の発言の真意をただすことが目的の1つだった。森元首相との会談で、プーチン大統領は自らの「引き分け」発言について「双方が受け入れ可能な解決策のこと」と説明したという。ぬか喜びは禁物だが、ロシア側に歩み寄りの兆しがあるのは事実だろう。

 外務省幹部が「首脳同士の政治決断に向けた環境が整いつつある。今年はなるべく多くの機会に首脳会談を実施したい」と明かすように、北方領土問題が進展する1年となる可能性は十分だ。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る