Inside Russia

2012年12月22日

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 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が20日、氷点下20度のモスクワで、4年ぶりとなる恒例のマラソン記者会見を開いた。今年5月に就任した通算3期目の任期では初の開催。1200人以上の国内外の記者、カメラマンが参加登録し、会場の様子は、国営放送、ラジオ、インターネットなど主要メディアで同時生中継された。今年秋、柔道の練習で腰を痛めたとされる大統領は身振り手振りをまじえながら、力強いトーンで喋り続け、健康不安説を払拭。計61人の記者から浴びせかけられた質問は、対米関係や北方領土問題、汚職対策、経済政策にまで及び、論理だって答える様は、還暦を迎えてもなお、強靱な体力と集中力、明晰な頭脳と記憶力が健在であることを見せつけた。

 ステージで繰り広げられたプーチン流劇場型パフォーマンスは笑いあり、拍手あり、丁々発止のやりとりや外国人記者との真剣勝負もありの、さながら大物歌手のワンマンショーのよう。最後は、南部カルムイク共和国の男性記者から「今日は、娘が誕生日なのでサインをしてほしい」との求めに応じて、実際にサインして見せて終了した。実施時間は3時間をゆうに超え、後半は、司会者の仕切りを制止して、プーチン大統領自身が記者を選び、結局、4時間33分に達した。昨年の今頃は、モスクワやサンクトペテルブルクで反プーチンデモが吹き荒れ、支持率が急落していただけに、翌日の露紙コメルサントは状況が様変わりして、「プーチン氏にとっても満足だったはずだ」と評した。

好調な経済指標を誇示

 マラソン記者会見は、2000年にプーチン氏が大統領に就いてから続けられているロシアの国民的行事だ。08年に一旦、退いた後はバトンタッチしたメドベージェフ氏にその座を譲ったが、今回も大々的に準備が行われ、普段、クレムリンウオッチをしている主要メディアや外国メディアだけでなく、各地域のメディアの記者にも招待状が配られた。プーチン氏は9月、極東ウラジオストクで行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)サミット後に体調が悪化、外遊を延期するなど健康問題が表面化していただけに、従来通りのタフネスさを見せるかどうか、注目が集まっていた。

 紺色のスーツ、赤色のネクタイで登場したプーチン氏はまず、今年のロシアの経済状況について約15分にわたりプレゼンテーションを行った。GDP成長率や失業率、社会保障分野の指標などを披露し、欧州経済危機の影響を受けながらも安定成長を続けていることを誇示。一方で、財政の健全ぶりやここ20年で最も高い数値となった出生率などを取り上げて、政権運営の成果を強調した。

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