サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会が20日に幕を上げることから、サッカーグッズ商戦も熱を帯び始めている。それは、レプリカユニフォームやマフラーといった〝観戦グッズ〟からスパイクシューズなど自らプレーするものと幅広いが、今回は冬場の開催や日本でのサッカー環境の変化でその様子は少し違うようだ。
サッカーファンはすでにエンジン全開
「大会1カ月前からの動きを見ると、消費動向としては静かなスタートだったと言える。ただ、インターネット上では、9月から一部のファンが強い盛り上がりを見せていた」
総合スポーツショップ「スポーツデポ」などを運営するアルペン(名古屋市中区)の平原貴史執行役員はカタール大会に向けたW杯商戦の雰囲気を語る。
今大会は初めての冬の時期に開幕する。6月から開催されていたこれまでは、ヨーロッパの各トップリーグが5月に終わり、「W杯モード」となっていたが、今大会はリーグを中断した上で行うこととなっている。選手だけでなく、サポーターの心構えもまた異なっているようだ。
「イングランドのプレミアリーグでの日本人選手の活躍と、W杯日本対戦国であるドイツやスペインの代表候補選手の動向、はたまた日本代表選手の選考状況と、さまざまな角度の情報が飛び交い、サッカーファンはそれぞれに気持ちを躍らせていた形だった」と平原氏は指摘する。グッズに関しても、長袖のユニフォーム、各国のロゴが入ったスウェットやジャージと季節に合わせた品ぞろえとなっており「売れ行きなどの読みが難しい部分が大きい」(平原氏)という。
ただ、インターネットやSNSなどの情報技術の発達により、コアなファンは大量の情報を得ている。すでに、そしてこれからも消費行動は活発になるとみられる。
「日本戦が行われる直前または直後となると、これまで関心を寄せていなかった人たちも動き出し、消費は爆発的な伸びを見せる可能性もある」と平原氏は見通しており、熱心なファンの目を引く専門性と大会の盛り上がりに合わせた購買の両面を追う構えだ。