世界の記述

2009年3月20日

 ロンドンを流れるテムズ川で、中国原産の上海蟹(チュウゴクモクズガニ)が繁殖して、当局は頭を痛めていた。繁殖力が強く、生態系を壊すことが懸念されていたからだ。ところが、自然史博物館の調査で、テムズ川の水質が悪いにもかかわらず、上海蟹は汚染されておらず、食用に十分に値すると判断が下った。

 ニュースに歓喜したのはロンドンの高級中国料理店。上海蟹の旬は秋だが、輸入品は小さなサイズでも、仕入れ値は1匹あたり5(約660円)と決して安くはない。新鮮な上海蟹がテムズ川で年中入手でき、生態系の維持にも役立つと、レストランとしては願ったり叶ったり。

 しかし今度は、食材として急浮上した上海蟹に「ビジネスチャンスの到来」と狙う輩が出て来て、「捕獲には環境庁のライセンスが必要」と警告が必要に。外敵扱いから一転、不法漁の警戒対象になっている。

◆「WEDGE」2009年4月号より

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