WEDGE REPORT

2013年7月23日

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 「ぜひ蒲島(知事)に農地を貸してください─」

 こうして県内の農家に農地集積を呼びかけるのは、熊本県の蒲島郁夫知事だ。ここ数年、年間1300ヘクタール前後で推移してきた県内の農地集積面積を、2012年度は対前年比約3割増の1780ヘクタールまで加速させた。

対前年比3割増の農地集積を果たした手法

 12年6月、蒲島知事自らを本部長とする農地集積の推進本部を発足させ、県(農業公社)、JA、農業委員会などを本部のもとに集めた。県内20地区を重点地区に指定し、農地を提供してくれた農家に奨励金を与える、県独自の交付金制度を設けた。

 さらに、地域事情に詳しい県や市町村、JAのOBを「農地集積専門員」として農業公社に11人雇用し、各重点地区に配置した。

熊本県の農地集積の取り組みについて話す蒲島郁夫知事 (編集部撮影)

 県知事が冒頭のような県民への直接の呼びかけをラジオやポスターを通して行い、各地区に配置された農地集積専門員が現場に近いところで農地の出し手と受け手をマッチングさせ、貸借の仲介を行う。こうした「顔」と「手足」をうまく機能させたことが集積の促進につながった。

 「熊本県の農業従事者に占める70歳以上の割合は、00年度の27%から10年度には41%となった。高齢化のペースは今後も加速するため、農地の遊休化が懸念される。農地を集積させて、若い世代の農家に渡していくことが課題だった」(蒲島知事)

 自らが、高校卒業後、地元の農協に勤務し、農業研修生として米国に留学した経験も持つ蒲島知事は、農業の現状に対する問題意識も高い。

 県は、昨年度好調に進んだ農地集積を加速させるため、13年度は農地集積専門員を14人に増員し、重点地区も22カ所を追加指定する。交付金制度も継続させ9425万円を予算計上した。集積面積の目標も12年度比約2割増の2100ヘクタールと置く。蒲島知事は「これはあくまでも最低ラインの目標。仕上がりはもっと上を行きたい」と自信を見せる。重点地区は、15年度までに計100カ所まで増やす予定だ。

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