中国メディアは何を報じているか

2013年10月3日

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佐々木智弘 (ささき・のりひろ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授

1994年慶應義塾大学大学院前期博士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長を経て、2014年2月から現職。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。

 2013年9月30日、中央政治局会議が開かれ、「科学的発展観の学習綱要」という文書を検討し、党全体に配布することが決まった。

 習近平総書記を含む中国共産党の序列上位25人で構成される中央政治局の会議では、かなり重要な決定が行われる。そのような会議で、「科学的発展観」が議題になったのだから、ただ事ではない。

 「科学的発展観」とは、2005年10月に当時の胡錦濤総書記が掲げた言葉である。高度経済成長から持続可能な成長への転換、経済格差や環境汚染などの問題解決、民生分野の改善、「調和社会」の構築といった胡が目指したことの総称である。

 それでは、この会議を中国共産党中央の機関紙『人民日報』はどう伝えたのだろうか。

「科学的発展観」の貫徹、実現を強調

 2013年10月1日付同紙は1面でこの会議を報じた。「科学的発展観」について、以下のように言及している。

「各地域、各部門が『科学的発展観学習綱要』の学習実践をしっかりつかみ、脳の武装、実践の指導、工作の推進に力を入れなければならない」

「科学的発展観をマルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、『3つの代表』重要思想と結びつけ、マルクス主義の経典、著作と結びつけ、党史国史の学習と結びつけ、第18回党大会の精神と中央の重大な政策の決定、手配と結びつけ、たえず科学的発展観に対する理解を深め、道路(方向性=佐々木注)の自信、理論の自信、制度の自信を高め、思想と行動を第18回党大会の精神と中央の重大な政策の決定、手配と統一させ、智恵と力を小康社会(ややゆとりのある社会=同)の全面的な構築完成、中華民族の偉大な復興という中国夢の実現に凝聚させなければならない」

「学習を深めることを通じて、さらに自覚的に経済社会発展を第一の意義とし、さらに自覚的に人を基本とすること(中国語で「以人為本」)を核心的立場とし、さらに自覚的に全面的で協調的な持続可能性を基本的な要求とし、全体的な計画の中で各地域や個別の利益を合わせて考慮することを根本的な方法とし、たえず科学的発展観の貫徹、実現の自覚性と確固性を高めなければならない」

「当該地域、当該部門の工作の実際と幹部、大衆の思想の実際を緊密に結びつけ、科学的発展観をわが国の近代化建設の全過程で貫徹し、党建設の各方面で体現し、改革、発展、安定という重大な問題、大衆の生産、生活での差し迫った問題、党建設の突出した問題を真剣に検討し、中央の重大な決定と配置を貫徹し、経済社会発展を推進する上で、たえず新たな進展と新たな成果を獲得しなければならない」

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