知られざる「移民社会」ニッポンの現実

2013年11月6日

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山下真弥 (やました・まや)

1982年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。ノンフィクション作家。一部上場企業勤務を経て、ラ・フェミテ事務所にて本格的な作家活動を始め、2012年からラ・フェミニテ代表を務める。主な雑誌は「女性誌研究と現代社会」(第一号~第三号まで)国際性ある文学や芸術性を評価し、女性性を意識した文化活動をしている。著書に『六本木発グローバル恋愛』(洋泉社)『ハーフはなぜ才能を発揮するのか―多文化多人種ニッポンの未来』(PHP研究所) 等。2010年にアメリカの出版社と契約。グローバルな作家活動を展開。主な英語書籍は『Tokyo: Departing for Global Love』と『New Rising Sun: The Future of Multicultural Japan』。AppleのeBook storeでiPhone, iPad, iPad touchやKindleよりダウンロード可能。世界30カ国以上で読まれている。夏頃に小説『南カリフォルニアの風』Kindle版が、アメリカの出版社より日本に逆輸入という形で発売予定。現在は新たなノンフィクション本の執筆中。

 女性の労働力に期待されても、独身女性の34.2%は専業主婦を願望している。

 少子高齢化社会の進展で、近未来は労働力が不足し、経済が衰退すると言われ続け、様々な政策が打ち出されてきたが、まだ明るい兆しは見えていない。女性の社会進出による労働力の活用により、労働力の減少を補てんしようと子供のいる女性のために保育園を増加したり、待機児童解消をめざしたりと、安倍政権下でも涙ぐましい努力がなされている。

 20、30代の若い世代の女性たちの親の時代に比べれば、未婚女性が社会で働いたり、既婚女性が家庭と仕事の両立をしたりする環境や周囲の理解は、ずいぶんよくなったかのように見える。しかし、簡単にクビを切ったり、長時間労働をさせたりするブラック企業と呼ばれるような会社もあり、労働環境は不安定で厳しくなっているのも現実だ。

雇用の安定が結婚、出産につながるのでは?

 厚生労働白書作成にあたり民間シンクタンクが今年3月に行った事前調査で、15~39歳までの独身男女を調べたところ、女性の34.2%は、実に専業主婦を望んでいるが、男性は結婚後も女性が働くことを望んでおり、専業主婦になってほしいと思う男性は19.3%にすぎなかった。知人の大学の先生から聞いた話だが、女子大生に行った授業でのアンケート調査では、半数以上の学生が専業主婦を望んでいたという。専業主婦をのぞむ理由に子供を長時間保育園にあずけ、病気の時まで病児保育を利用する、そういった働き方を問題視し、子供がある程度大きくなるまでは家庭にいたいと思うことをあげる女性もいるそうだ。格差が広がる中、めぐまれた職業につけた一部のエリート女性を除けば、多くの普通の女性たちの労働意欲はそこまで高くはないのだ。

 一方、一生妻子を養えるような雇用環境にはないことを痛感している独身男性たちは、女性には結婚しても働いてほしいと考えている。男性の雇用の不安定さは、産業の空洞化が一因であり、「男性不況」が生じている。非正規雇用の男性たちは結婚どころか恋人もいない人たちが多い。男女ともに生涯未婚率が上昇し続けている。企業の海外流出を抑制し、日本国内での若い世代の雇用を安定させ、結婚を可能にしてはじめて子供が産まれてくるのではないか。

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