40代からの脳力の磨き方

2009年4月22日

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久保田競 (くぼた・きそう)

東京大学医学部を卒業後、同大大学院で脳神経生理学を学ぶ。1967年に京都大学霊長類研究所で助教授から所長を歴任し、京都大学を退官。京都大学名誉教授に。現在も研究活動を続けながら、森之宮病院と日立製作所基礎研究所の顧問、国際医学技術専門学校の副校長を兼任。著書に『脳を良くする小さな習慣』(アスキー)『衰えない脳は14日でつくれる』(大和書房)ほか。

脳を使うと神経細胞とシナプスが増えて大きくなる

 前回は、おいしいものを食べて、脳力を高める方法についてお話をしました。

 今回は運動編です。運動はメタボ対策にも有効ですが、最近の研究では、脳の働きをよくする効果があることも明らかになってきました。運動といってもいろいろありますが、どんな運動をどれくらい行えば脳を活性化させることができるのか、紹介していきましょう。

 体を動かすことで、脳が大きくなることが初めて確認されたのは、2004年のことです。ジャグリングという、大道芸でさまざまな物を空中に投げてはキャッチする技があります。日本でいうお手玉のようなもので、投げた物の動きを予測してキャッチしながら別の物を投げる、という動作はかなり複雑です。これを3つの物で1分間続けて行えるよう、3か月練習をした20代の人の脳がどう変化するかをドイツのレーゲンスブルク大学の研究者が調査しました。その結果、脳の容積が大きくなったことがわかったのです。

 さらに08年の6月には、同じ実験を高齢者で行ったところ、同様に脳の容積が大きくなったことが確認できました。

 脳が大きくなるということは、トレーニングで使われた脳の領域で、神経細胞とシナプスが増えたことを意味します。神経細胞やシナプスが増えれば、情報経路が強化され、より多くの情報を早く伝達できるようになりますから、“頭の働きがよくなる”ということです。何らかのトレーニングをすれば、年齢には関係なく、脳を鍛えることが可能なのです。

 「どんどん脳が大きくなったら、頭蓋骨のなかが窮屈になるのでは」と心配されるかもしれませんが、ご心配なく。トレーニングで大きくなった脳は、再構築されて、機能を残したまま小さくなります。脳はいくらでも発達できるように、できているのです。

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