中国メディアは何を報じているか

2013年11月29日

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佐々木智弘 (ささき・のりひろ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授

1994年慶應義塾大学大学院前期博士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長を経て、2014年2月から現職。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。

 11月23日、中国政府が東シナ海の防空識別圏設定を宣言したことを、国防部が発表した。

 この防空識別圏を国防部は次のように定義している。

海に面した国家が直面する可能性のある空中の脅威に対し警備するために、領空外に設定する空域であり、速やかにこの空域に侵入する飛行物体を識別、監視、コントロール、処置し、早期警戒時間を得て、空の防衛、安全を守るために用いられる。

 この防空識別圏について、東シナ海の広範囲に設定されていること、日本が固有の領土であると主張する尖閣諸島が含まれていること、米国の訓練空域が含まれていることなどから注目されている。

 筆者ももちろんこれらに点に関心がないわけではない。しかし筆者が一番注目しているのは、中国政府がなぜこのタイミングで防空識別圏設定を宣言したのかという点である。そのことを考える上で、『人民日報』が防空識別圏設定をどう伝えているかを見ておきたい。

防空識別圏設定の正当性を強調

 『人民日報』は24日付1面で、防空識別圏設定の事実を、防空識別圏の位置を示した地図、有識者の見解と共に報じた。そして、4面で識別規則公告と23日に開かれた国防部スポークスマンの記者会見での質疑応答の内容、中国空軍が防空識別圏で飛行を行ったことを掲載した。

 国防部スポークスマンは防空識別圏設定の目的を次のように説明した。

国家の主権と領土領空の安全を守り、空中飛行の秩序を守るためである。これは中国が自衛権を有効に行使するために必要な措置であり、いかなる特定の国家や目標に対するものではなく、関連空域の飛行の自由に影響はない。

 また、設定の正当性を次のように説明した。

1950年代から一部の大国と中国周辺の一部の国家など20数カ国が防空識別圏を設定している。中国のやり方は「国連憲章」などの国際法や国際慣例に符合している。

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