世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年12月11日

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 米スタンフォード大学アジア太平洋研究センター副所長のダニエル・スナイダーが、日本はドイツの強制労働補償のための財団「記憶・責任・歴史」と類似の官民出資の財団を設立すべきである、11月1日付ワシントン・ポスト紙掲載の論説で述べています。

 すなわち、残念ながら、日本も韓国も和解への道を自分たちでは見つけられないというのが現実である。加えて、米国自身も、未完成のままの戦後処理と、和解を阻んだその後の冷戦に対する歴史的責任がある。

 しかし、状況の改善につながりうる実際的な方法はある。この問題で、最大の争点は、日本帝国による戦時中の強制労働制度の犠牲者全員に対する賠償にあるべきだ。勿論、犠牲者には性的奉仕を強いられた「慰安婦」も入る。日本政府の立場は、賠償問題はサンフランシスコ平和条約および中国、韓国との関係正常化合意によって解決済みというもので、米国も公にそれを支持してきたが、日本人を含む一部の法学者は、国家間の解決は、個人の賠償請求を妨げるものではない、と主張している。最近、韓国で出された判決は、この原則を支持するものである。

 日本は、ドイツの強制労働に対する補償のための財団「記憶・責任・歴史」と類似の官民出資の財団を設立すべきである。2000年に設立された同基金は、52億ユーロに達し、国際的パートナー機関と協力して、これまでに約100カ国、160万人以上の生存者に対して賠償してきた。同基金は現在も調査、教育プログラムを実施している。

 同基金やオーストリアの類似の基金の設立に当たっては、クリントン政権の高官らが中心的役割を果たした。今、ワシントンは、日本についても同じ役割を果たす必要がある。他方、これによって全ての片がつく、という保証が日本には必要であるから、韓国、中国、そして強制労働の犠牲者を代表する団体は、この解決策を、賠償に関わる全ての問題の最終的解決として公に承認しなければならない、と論じています。

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 善意の提案なのでしょうが、日本とドイツでは全く違う戦後処理が行われていることを無視した議論です。

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