「靖国ではなく、南京に行くべき」
中国が仕掛ける反日歴史工作

「南京事件」を考える(前篇)


有本 香 (ありもと・かおり)  ジャーナリスト

企画会社経営。東京外国語大学卒業後、雑誌編集長を経て独立。近年とくに中国の民族問題の取材に注力している。『中国はチベットからパンダを盗んだ』(講談社)『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』(祥伝社)の他、近著に『中国の「日本買収」計画』(WAC BUNKO)がある。

チャイナ・ウォッチャーの視点

めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリストや研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。(画像:Thinkstock)

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平成25年も押し詰まった昨日(12/26)、安倍首相が靖国神社を参拝した。第一次政権時の「痛恨の極み」から7年、内外のあらゆる政治的要素を勘案したうえでの参拝だったと思われる。予想どおり、中国、韓国からは激しい反発の声明が出された。

 中国の王毅外相は、日本の木寺昌人駐中国大使を呼び、「国際正義への公然たる挑発だ。(日本側が緊張関係を激化させるなら)中国側も最後まで相手をする」という、物々しい表現とともに、対抗措置もにおわせた。が、むしろ筆者が注目したのは、その後の会見で出た秦剛報道局長の次の発言である。

 「安倍首相がアジアの隣国との関係改善を願うなら、靖国神社ではなく、南京大虐殺記念館に行くべきだ。歴史を直視する勇気がなく、戦後の国際秩序に公然と挑戦しておいて、自由や民主、世界平和と繁栄への責任を語る資格があるのか」

 靖国神社の「カウンター」として、中国側は「南京虐殺記念館」をもち出してきた。折しも師走12月、76年前(1937年)に南京陥落があった時期でもある。秦剛報道局長の発言に“触発”されて勇気を奮うわけではないが、せっかくの機会なので、本稿では、いわゆる「南京事件」にまつわる歴史の「事実」をいま一度、直視し論考してみようと思う。さらに、中国と韓国が連携して現在、北米で進めている「反日歴史工作」、とくに新手の「南京虐殺工作」との関連で今般の総理の靖国参拝を考えてみたい。

果たして南京で「虐殺」はあったのか?

 よく知る読者の方々にとっては退屈な復習となろうが、まずは「南京事件」に関して、事実とともにポイントとなるべき点を挙げていくこととする。

 中国側はくだんの記念館で、「日本軍は南京入城後、2カ月にわたり、30万もの人を虐殺した」と宣伝している。一方、東京裁判の判決文では、「日本軍が占領してから最初の6週間に南京とその周辺で殺害された一般人と捕虜の総数は20万以上」とした。

 しかし、この南京での「大虐殺」は、現場をしかと見た人、つまり証言の信憑性が検証され、正当性が裏付けられた目撃者というものが一人も存在しない。これは、「南京」を論じる際の最も重要なポイントで、はじめに押さえておく必要がある。

 2カ月にわたって何十万もの人が虐殺されたという「世紀の大事件」であるにもかかわらず目撃者ゼロ。こんなことがあり得るのだろうか。しかも不思議なことに、この目撃者ゼロという重大なことに、日本のマスメディアは触れようとしない。そのためか、南京で虐殺はあったものと頭から信じ込んでしまっている日本人が少なくない。

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著者

有本 香(ありもと・かおり)

ジャーナリスト

企画会社経営。東京外国語大学卒業後、雑誌編集長を経て独立。近年とくに中国の民族問題の取材に注力している。『中国はチベットからパンダを盗んだ』(講談社)『なぜ、中国は「毒食」を作り続けるのか』(祥伝社)の他、近著に『中国の「日本買収」計画』(WAC BUNKO)がある。

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