WEDGE REPORT

2014年1月28日

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 技術力や耐久性が評価され、日本の中古車の輸出が伸びている。中古車市場をけん引するのは、在日パキスタン人たち。最近は、立命館アジア太平洋大学(APU、大分県別府市)の出身者が世界中に散らばった仲間とSNS(交流サイト)でつながり、商談を活発化させている。

 国内最大の自動車の祭典「東京モーターショー」が都内で開催されていた11月下旬、栃木県小山市の中古車オークション会場は、パキスタン人のバイヤーで賑わっていた。茨城県水戸市を拠点に中古車販売業を営むパキスタン人の小澤ハムランさん(38)はこの日、ダンプカーなど大型車4台を出品した。そのうち1台は192万円で入札が始まり、数十秒で385万円まで上昇。希望落札価格を超えなかったため、不成立に終わったが、最高入札者との個別商談に持ち込んだ。翌週には85万円で仕入れたトラックを260万円で売ることに成功している。

 「多い時で月に500万~600万円の利益がある。北海道から福岡県まで付き合いがあり、車が見つかると連絡が入る」と説明する小澤さん。2002年にAPUの留学生として来日したが、中退。同胞が手を広げる中古車ビジネスの世界に入り、日本人女性と結婚した。

 日本の中古車業界は、今やパキスタン人の手中にある。1970年代に研修生として来日したライース・スィディキ氏が、本国に日本の中古車4台を送ったのが始まりと言われている。それを機にパキスタンでは日本車の需要が高まり、来日するパキスタン人も増加。今では、日本の中古車業者の5割を超えるという。

 栃木のオークション会場には、小澤さんの同級生や後輩だというAPU出身のパキスタン人も数人いた。小澤さんにならい、13年春に埼玉県草加市で中古車販売会社を立ち上げたアクター・ナヒードさん(33)もその一人だ。APUのMBA(経営学修士)を持ち、日本国籍も取得している。

栃木県小山市の中古車オークション会場で、大型車を視察するアクター・ナヒードさん(撮影:編集部)

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