うつ病の人は驚くほど呼吸が浅い
深い呼吸と瞑想で脳を活性化させる

メンタルケア専門士 本田唯識氏に聞く


海部隆太郎 (かいべ・りゅうたろう)  ジャーナリスト

日本工業新聞記者、IT企業の広報部長を経て、現在フリージャーナリストとして活躍。

うつ病蔓延時代への処方箋

うつ病対策が叫ばれているが、減少する兆しは見えない。うつ病蔓延の原因は不景気の影響や豊かさの中での愛情の欠如など、多様な背景があげられるが、定かではなく、証明できるものもない。こうした状況を踏まえ、うつ病患者の実態と対策、予防策について、あらゆる角度の専門家たちにインタビューする。

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どうしようもない不安や得体の知れない恐怖を感じてしまう、心が折れてしまいそうになる、そのような経験をしたことがあるだろうか。肉体的な疲れと精神的な負担が重なると、普段は健康な人でも、ふとしたきっかけで胸がドキドキとすることがある。そのような時に深呼吸すると落ち着くことができる。さらに何も考えない時間をもつことで、穏やかな精神状態を保つことができる。これが古代から伝えられている瞑想だ。本田唯識さんに瞑想とは何か、どうして気持ちが落ち着くのかを聞いた。

本田唯識(ほんだ・ゆい)
東京・南青山でメディテーション(瞑想)サロンを主宰。瞑想を科学とスピリチュアルの両面から深め、うつ病、不眠症、パニック障害などの心身の病気に対し医療機関と連携し、瞑想や人間学的認知療法などさまざまな角度からケア、サポートする、統合医療を目的とした活動に取り組む。個人カウンセリングのほか、企業を対象にした各種講座、講演など幅広く活動する。著書に『脳が鋭くなる「考えない」トレーニング』(マキノ出版)。

瞑想は5000年の歴史がある

―― 瞑想と聞くと、宗教の教えみたいな感じがして思わず引いてしまいます。

本田唯識さん

本田:宗教の修行に取り入れられているので、そう感じられても仕方ありません。瞑想はひとつのことに意識を集中させて、最終的には「無」になることを目指します。その中で自分と向き合うことができます。瞑想して無になるのは難しいし、瞑想中に何も考えてはいけないということではありません。どうしても、いろいろなことを考えてしまうのが自然です。最初は、ただいろいろなことを考えているだけですが、上達するにつれて頭の中で考えていることの傾向性が見えてきます。自分を客観視できるようになります。そこで自分の思考の間違いを発見できれば、認知行動療法的な効果を見出すことができます。

 すべての人ができるとは言えませんが、自宅でも会社でも、電車の中でも瞑想は可能です。とてもシンプルで奥が深い、しかも脳を活性化できるのが瞑想です。

 禅宗だけでなく、ヨーガやインドの伝統医学であるアーユルヴェーダなどでも瞑想があります。瞑想の歴史は仏教よりも古く、パキスタンにある紀元前3000年ごろに誕生した「モヘンジョ・ダロ」の遺跡から発見された印章の中に、人が瞑想している姿が描かれています。つまり5000年の歴史があるということになります。瞑想は人間にとって根源的なものと考えていますので、遡って探っていくと人類誕生にまで行きつくのではと思います。感覚的なことなので、もちろん証明はできません。

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「うつ病蔓延時代への処方箋」

著者

海部隆太郎(かいべ・りゅうたろう)

ジャーナリスト

日本工業新聞記者、IT企業の広報部長を経て、現在フリージャーナリストとして活躍。

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