中国メディアは何を報じているか

2014年1月30日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 軍事作戦の遂行空間は陸から空、海、そしてサイバー空間へと広がっている。近年、安全保障を巡る概念は大きく変化し、世界各国はそれに伴って軍事改革(RMA)を加速させている。特に最近起きたスノーデン事件は多くの安全保障担当者に衝撃を与えた。分かっていたこととはいえ、彼が暴露した多くの事実によってサイバー空間での米国の行動が想像以上に進んでいることが明らかにされたからだ。それはもちろん中国も例外ではない。

 その一方で中国軍のサイバー技術開発も注目を浴びており、アメリカのコンピューターセキュリティ会社マンディアント社が発表(2013年2月)した米企業などへのハッカー攻撃の背後に中国のサイバー部隊があったというレポートは世界に衝撃を与えた。中国軍サイバー部隊の具体的状況が報道されるのは初であり、上海に拠点を置くこの部隊(61398部隊)について日本でも連日報道された。

 この61398部隊は総参謀部の技術偵察部(第三部)傘下の第二局所属とされる。部隊についての詳細な言及はなかったが、軍のサイバー戦への取り組みについて中国国内でも報道されたことがある。2011年にサイバー攻撃時のパソコン入力画像が映し出されて衝撃を与えたのだ。

中国の通信ネットワーク技術の
発展に貢献してきた人物

 しかし、そもそも中国がサイバー戦をどう考えているのか、軍がどのような考えに基づいて研究開発を進めているのかは依然として神秘のベールに包まれたままだ。ところがこのほど国営通信社新華社傘下の瞭望週刊社刊行の雑誌が軍のサイバー開発責任者のインタビューを掲載し、注目を浴びている。

 そこで今回この情報工科大学(信息工程大学)の鄥江興校長(少将)へのインタビュー「サイバー戦は核ミサイルよりも脅威」を紹介する。2011年に報道されたサイバー攻撃演習が行われたのはこの情報工科大学のソフトであり、本ウェッジ・インフィニティでも取り上げたことがあるのでそちらも参照願いたい(2011年9月28日記事)。

* * *

【2013年12月号『瞭望東方週刊』誌(抄訳)】

 鄥江興少将は中国工程院の院士(科学技術分野の名誉称号で、アカデミー終身会員のような身分:筆者)で、中国人民解放軍情報工科大学の校長を務める著名な通信情報システムの専門家である。彼はこれまで国の十数項目の重点プロジェクトに従事しており、中国の通信ネットワーク技術の発展に貢献してきた。

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