中国メディアは何を報じているか

2014年4月15日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 中国の公共放送局である中央テレビが2月に広東省東莞市での性サービス産業に対する潜入取材を報道してから当局はかつてないほどの大規模な取り締まりを展開している。中国では売春は非合法であり、たびたび「黄色掃除」(ピンク掃除という意味:中国語では「掃黄」)と称して取締りが行われてきた。

支持を得る売春取締り
一方で「合法化すべき」

 中国国内で売春の取締りは治安や社会道徳、汚職という側面から概ね支持を得ているが、合法化すべきだという主張が登場し、議論を巻き起こしている。その論争の中心にいるのが、中国社会科学院社会学研究所の李銀河教授である。彼女は中国における性社会学研究の第一人者であり、これまで同性愛など性、ジェンダーに関する様々な主張をしており、注目を浴びてきた専門家である。性サービス合法化の主張は新しいものではないが、2月から広東省の東莞市を中心に始まった大規模な取締りを機に再び、彼女の主張への注目度が高まっているのだ。

 今回紹介するのは李銀河教授による「性交易は低俗だが、非罪化すべきだ」という『共識網』が独自に李教授を招いて行ったインタビュー録である。このインタビュー掲載から1週間でアクセス数が5万近くに上り、様々なサイトでその発言が転載され話題になっているのでここで紹介したい。

* * *

【2014年3月31日『共識網』(一部抜粋・抄訳)】

インタビュー記事が掲載されているサイト http://www.21ccom.net/plus/view.php?aid=103447
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 司会者(袁訓会:同ネット編集部主任):今年、2月9日に中央テレビ局が広東省東莞市での性産業に対して潜入取材を行ってからというもの、売春取締りが広い関心を集めている。報道は5つ星ホテルに潜入取材したもので女性が客に選ばれるのを待つ様子が映っていた。そしてネット上では売春を合法化すべきかどうか議論が巻き起こった。中国における売春合法化の議論は何を意味するのか。

(以下、李教授の主張)

 中央テレビの記者からすると(議論の発生は:筆者)とても意外で、取締りは政治的に正しいのになぜこんな大きな反発がおきるのか、と思っているだろう。原因はとても複雑であり、いくつかの理由が挙げられる。

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