世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年5月13日

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 4月3日に開かれた、米上院外交委員会東アジア太平洋小委員会の台湾関係法公聴会において、NBR(全米アジア研究所)の副所長・デンマークが証言し、台湾の選挙において米国はいずれの党派の支持にも片寄ってはならない、などいくつかの重要な指摘をしています。

 すなわち、台湾関係法は、過去35年間に取り巻く環境はいろいろ変わったが、米国と台湾の関係の基礎をなすものとして、現在も依然として有効かつ重要である。

 両岸間の違いは平和裏に解決されるべきである。我々は台湾独立を支持せず、また現状を変えようとする如何なる一方的試みにも反対する。

 中国は米国の対台湾政策を自分に都合のよいように「再解釈」してはならない。たとえば、ヘーゲル国防長官と常国防部長が会見したあと、中国軍スポークスマンは米国の対台湾武器輸出についてタスクフォースをつくることに合意したと述べたが、そのようなことはない。

 2009年以降、米の対台湾武器輸出の額は120億米ドルに達しており、台湾はアジアにおける米の武器輸出の最大の相手である。米国のアジア回帰は台湾側の安心と自信につながっている。

 中国の目指すところは、台湾を中国の勢力下に置き、やがて統一することである。しかし、台湾当局の大陸委員会によるアンケート調査(2013年12月)によれば、約85%の台湾人は現状維持を支持し、約52%が中国は台湾に対し敵視対策をとっていると考えている。台湾人で中国との統一を支持しているものはわずかである。

 軍事面において、中国の台湾政策には変わりはない。台湾対岸の軍事力は毎年二桁台で伸びている。これに対し、台湾の軍事費はGDP比で2.1%のまま過去数年間停滞しており、馬政権の公約の3%にはるかに及ばない。米国としては、友人同士の忠告として、台湾の国防予算が伸びていないことに対し、注意を喚起すべきである。

 最近の台湾における中国とのサービス貿易取り決めに対する抗議活動は台湾における言論の自由、集会の自由、法の支配の実態をよく示している。2008年以来、馬政権下で中台関係は進んできたが、今回の学生たちの動きは中国の狙うペースで関係を進めるべきではなく、その速度を再考すべきであることを台湾人に認識せしめる効果をもった。

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