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2014年7月10日

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八尋俊英 (やひろ・としひで)

日立コンサルティング取締役

1965年生まれ。日立コンサルティング取締役。IT分野の投資銀行業務を学んだ長銀を最初に、ソニーを経て中途採用第1期生として2005年経済産業省入省、情報処理振興課長、官房参事官を経て退職。直近2年はシャープにて新ビジネスに取り組み、クラウド技術開発本部長、2012年11月退職。2013年1月より現職。4月より東大生産技術研究所協力研究員。一貫して新しい部署・新設ポストで新開拓を続ける。

 高度成長を経た日本の針路にはTPP、それから東京オリンピックと世界がもう一度注目している晴れ舞台があるが、従来同様の単一産業から生まれる輸出品は、トータルでみればもはや競争力の源泉にはない。

 日本が好きな米国人の社長と先日会食をしていると、日本の最高のサービスは清潔さとエコで溢れた暮らし、最高の品質と安心できる食べ物やヘルスケアから宅配まで含むサービス産業だという話になった。

 こうしたサービス品質、クリーン、エコといった観点は、エネルギーを使いすぎる米国の若者にも日本が社会システムとしてはリスペクトされる。単にジャパニメーションが受けているのではなく、秋葉原文化の中身が浅草や、鎌倉で感じられている。

 アベノミクスの3本の矢は放たれたが、いずれもツールである。プレイヤーつまり産業当事者、企業の戦略実行という点では給与の見直しといったツール類に留まっている。高まる期待を前進力に変えるには、このタイミングに風に乗るエコなエンジンが要る。そのエンジンとは、個別の企業、単一の産業のみで生み出す製品やサービスではないだろう。

 ビッグデータを活用するには、メーカー、生活産業、流通などが企業の枠を超えて、市場が求めている解決すべき課題、独身者の急増、増え続ける医療費、ライフスタイルの変化に向き合い、リ・デザインすることが求められている。

 日本が光ファイバーの敷設に盛り上がっていたころから、米国では増え続けるネットでの情報をどう整理するかという課題から、検索エンジンが一大産業になった。よりよい携帯、スマホを作ることに日本の家電が夢中になっているころ、米国・韓国では人が、いつも持ってつながったときに欲するアプリ・コンテンツをビジネス化するプラットフォームに注力した。

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